大雪山 ページ6
「ひょお〜〜〜飛んでるぜ、俺たち！！」
興奮気味に声を上げた白石。
うるさいなとは思うが、そうなる気持ちはわからなくもない。
「確かに、改めて見れば絶景だな」
私もそう呟いた。
「このまま網走まで飛んでいけるんじゃねぇの？向こうでのんびりキロランケたちを待とうぜ！！」
「小樽を出てからもう二か月以上かかっちまってるからな……急がねえと」
白石やアシㇼパ、私も広がる景色に笑みを浮かべるなか、杉本だけがやけに真剣な面持ちで言った。
少しは肩の力を抜けばいいのに。
すると、プスンッと音を立てたあとで飛行船の操縦機が停止した。
「おい、なんか止まったぞ。白石直せるか？」
「どれどれ」
なぜ白石に頼む……？
私が知らないだけで、白石は機会に強いのだろうか？
珍しく真面目な顔をしている白石が操縦機を見る。
すぐに杉本も加わった……が。
「キッキキッ」
ガンッ
「ウキッ」
バンッ
両者とも猿と化してしまった。
「出来ねえなら初めから手ぇ出すなよ」
呆れたように私が言うと、二人はいっせいにこちらを見て「キッ」「ウキッ」と二言三言猿語で話したあと、また操縦機に向き直る。
「ウキーッウキーッ」
バンッバンッ
「ウキーッウキーッ」
ガンッガンッ
今度は八つ当たりをするように猿声を上げながら言うことの聞かないそれをより強く叩きだした。
余計壊れるわ。
ふいにアシㇼパが二人を止めるように間に入る。
「ウキーッッ」
ガンッ
「やかましいッ！！」
尾形の叱りで猿化劇場は幕を閉じた。
「あとは風の吹くままだぜ」
白石が諦めたように告げた。
「うおおお、危ねえ…ッ。風に流されてあんな岩場にぶつかったらやばいぞ」
杉本の声に私はそれに目を向ける。
と言っても、振り向いただけで、その岩場は視界いっぱいに広がっていたのだが。
壁のようにそびえ立つそれに、迫り来るような錯覚を覚えた。
「パウチチャシだ。パウチチャシとはパウチカムイが住む村という意味で……このあたりの奇岩はパウチカムイの砦といわれている。パウチカムイは淫魔で、あまり心の良くない神様だ。取り憑かれるとその人間は素っ裸になって踊り狂う」
「ハッハッハッ。そんな馬鹿な…アイヌは想像が豊かだねえ」
馬鹿にしたように笑い声をあげた白石に、私は心の中で教えてあげた。
そういうこと言うやつが一番に取り憑かれるんだぞ。
無論、それを口に出して言うことはなかった。
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プスメラウィッチ(プロフ) - 私は、尾形百之助を一票します。 (4月1日 23時) (
レス) id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - 見守るセミさん» コメントありがとうございます！！そうなんですよ！！！！もう、みんな良いんですよ！！！！だからめちゃ迷うんですよね！！！！(ˉ ˘ ˉ; ) (3月27日 23時) (レス) id: 14120fce3f (このIDを非表示/違反報告)
見守るセミ - んぬムゥ尊い。マジで尊い。あどうもセミです。おがっちゃんもいいしすぎもっちゃんでもいいどちらを取っても幸せです。ワシはおがっちゃんも好きなんですが、すぎもっちゃんが最推しです。あぁ〜でも、月島さんも捨てがたい、、、 (3月27日 16時) (レス) @page31 id: d5e2d1caf3 (このIDを非表示/違反報告)
おほしさま - エクスタシーさん» うわぁーーーー！！！！！！ほんとだぁーーー！！！！！うわ、マジでごめんなさい。今まで全く気が付かなかった…。ご指摘下さり誠にありがとうございます！！！大感謝です！！ｕ ′̥̥̥ ⌑ ‵̥̥̥ ｕ (3月26日 20時) (レス) id: 14120fce3f (このIDを非表示/違反報告)
エクスタシー - 杉本× 杉元○ (3月25日 22時) (レス) @page31 id: 9a0b80f385 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おほしさま | 作成日時：2024年3月7日 2時
