誰の行方ゴールデンカムイ夢小説 (ページ41)

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「主犯も共犯者も逃亡した。残ったのは一体の死体のみ。……まあ、少しの情報は手に入った。今回は良しとしよう」

騒動を収束させ、兵舎へ戻ると早速鶴見中尉から呼び出しがあった。
そして早々報告されたのは、首謀者を取り逃したということ。

いや、ふざけるな。
良しと出来るわけがなかろう。

無下にするなと言ったのに、馬を盗まれた上、目の前の主犯をみすみす逃したのだ。

まあ、私が何を言ったとしてもこの男が良しとしたのならそうなってしまうのだが。

「それで、主犯は誰だったんです？」

この男から逃れたのだ。相当の手練であることは間違いないだろうが。

鶴見中尉はゆっくりと口角を上げながら、その名を口にする。

「——土方歳三だ」

それを聞いた途端、私の脳内で昔の記憶が弾け、鮮明に映し出された。

あれは母が死んだ翌年、私が十二の時の話だ。

あの日、なぜだか私は父に無理やりとある場所へと連れて行かれた。