転入してきたのが最強紋の女の子だったんだけど。2【歌い手】

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side……A



「Aっ！Aっ！！」



天使の越しに見える空中に、うらたんがいた。

頭から血を流し、その整った顔を血と傷が汚していて、ボロボロで、白メッシュの天使に捕まっているうらたんを。


彼の武器は、その近くの地面に突き刺さっていた。





『うら、たん……』



もう治した筈なのに、天月さんや坂田さん、まふくんの……あの惨くて思わず目を抑えてしまうような傷をつけた姿が、驚くほどハッキリと私の脳裏に映し出される。


一瞬……だったけど、私の身体はふらりとその場に揺れる。



そして、





―――A！！来んなｯｯ！！







あ の 人 の 、 あ あ な っ た 姿 も






■「ふ、へははっ……泣いチまった」




泣く？




「A……」




あ、本当だ。私、泣いてる。




『ふ、……あはは』




最低なくせに泣いてる。私。





ど く ん





心臓が1回だけ、大きく、大きく私の身体を打ち付けた。
それのせいか目の前が大きく揺らいで、右目の裏に冷たい"何か"が落とされる。思考回路が滅茶苦茶な黒に塗り潰されていく感覚と、自分の身体がドロドロしたあの気持ちの悪い感覚に飲まれていくような気がして吐き気がする。


でも、今の私に抵抗する気力は、もう無かった。





■「……諦めテ俺達と来イ」





遂に掴まれた右手首、抵抗するかわりに私は。

自分を飲み込もうとする全てから逃げるように、




そっと、目を閉じた。

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