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4. ページ15

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「はぁ……っだるい……」


『……熱、下がりませんね』



そらるさんの首元にじっとりと纏わりついた汗を保健室から持ってきたタオルで拭きながら、体温計を見つめる。そこにはあいも変わらずに38という数字が表示されていた。



今から30分程前。
案の定まふくん達がそらるさんのお見舞いに生徒会室に来てくれていた。

その時には既にスマホでそらるさんのことは伝えてあったから、保健室のでは不十分だったスポーツ飲料や冷えピタ、ゼリーや氷などを買ってきてくれて……凄く助けられた。


全員が全員、丸一日看病する気でいたけど、後夜祭の準備もあるし、折角の学園祭なのでと午前の部の開始の放送が鳴ったのをいいことに行ってもらったけれども。




「…………霧生、」



そこからそらるさんは、更に元気が無くなっていったのだ。




『はい?あ、飲み物ですか?』



「や、違くて……
………やっぱ学園祭、行ってきなよ」




……これで、何回目だろうか




『いいんですよ!ていうか病人を置いてまで行きたくありません!』


「俺がやなの……折角の学園祭なのに」


『……私じゃなければいいんですか?』


「……そうじゃなくて!俺のせいでっていうのが……」





私の持つ治癒魔法は傷を癒すもの。熱や病気には使えない。オマケに治癒魔法自体そんなに得意でもない。


だけど、いつもより掠れた耳障りのいい低音ボイスが目の前で苦しそうに言葉を紡いでいるのを見ると、無駄だと分かっていても……使いたくなる。

そらるさんが「行っておいで」と私に笑む度、手の中で勝手に治癒魔法が発動している。



それら全て落ち着かせるように、私ははぁーっと溜息をついた。






…………これを使いたくはなかった







『………………悪化、しますが、麻痺させることなら……できますよ』





それは、"私の魔力"で一定時間"苦""痛"に関する感覚全てを停止させる、"代償"を伴う魔法だった。
体を、脳を騙すのだから効果が切れた後で悪化するのは当然だ。それが代償。


____私の魔力(これ)を見る度、悪魔みたいだななんて思ったっけ


彼がこんなにすんなり頷くとは、少し意外にも思った。

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設定タグ:歌い手 , 学園もの   
作品ジャンル:ファンタジー
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キツネ(プロフ) - や、ヤバい。しらす(。∀ °)で話が何も入ってこねぇ!ていうかそこで爆笑したw (2019年5月12日 23時) (レス) id: f12a239c64 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» そう言っていただけて嬉しいです!移行したパート3の方もよろしくお願い致します! (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
赤りんご(プロフ) - ばけモノ。さん» いやいや、全然大丈夫です!この小説大好きです!更新楽しみにしてます! (2018年8月27日 21時) (レス) id: d52f074cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 倖穂さん» 可愛いイラストをありがとうございました!まだ1話しかないですが移行致しましたのでそちらの方もよろしくお願いしますね!(´∀`) (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)
ばけモノ。(プロフ) - 赤りんごさん» 凄く嬉しいです!とても可愛いイラストをありがとうございましたぁぁ!!文字数の関係で本作には感想を書けませんでした、…すみません……。 (2018年8月27日 21時) (レス) id: edcac17eb5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばけモノ。 x他1人 | 作成日時:2018年7月19日 23時

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