赤の女の黒いメイド (ページ11)

今日:4 hit、昨日:15 hit、合計:14,976 hit

１１ページ11

アン「...A....っ..」

A『っ...バカだよっアンタは..』

あの時とは立場が逆ね...と言ってアンは笑う。

A『殺せなかったんでしょ。唯一の身内を。』

アン「...えぇ。」

自分の愛した人が大好きな姉と結婚した。大好きな2人の間に生まれてきたシエルを殺すなんてアンには荷が重すぎた

A『...アン、オレはね、アンが思う程利口じゃないし、優しくもないし、偉くもない。』

A『だから此処に約束を破りに来た。』

A『お前は、オレより優しい｡第一貴女は人間で、"私"は人外だ。』

アン「それって...」

そう、私は人外。神と人の中間の存在。そして悪魔。

混血の死神とは私の事だ

アンダーテイカーに怒られてしまうな。

人間に話すなと忠告されてきたのに

A『貴女を憎めない。私は貴女を信じてる。貴女が自首したら私は此処を離れる｡何処か遠くにね。』

月は私達を照らしていた｡アンは、静かに涙を流した

それは、彼女の美しい瞳が

自分の事を愛おしげに

優しく見つめていたから

次の日、アンは自首をした

私は、遠くに行った

数年にわたって二人は文通をしたが

それはいつしか途絶えていった

A『人の命は短いな。回収しに行かなくては』

今日も赤い女の黒いメイドは

混血でありながらも

魂の回収を担当している