雨宿りの理由 ページ5
「そういえば、Aちゃんはなんであんなところで、雨宿りしてたんですか?」
「これの持ち主をきりやと探していたんです」
Aちゃんは、リュックの中から4つの箱を出した。
「私の家に代々受け継がれている物です。皆さんは幼い頃、禁断の果実のお話を聞いたことありませんか?」
「あや、そのお話の絵本持ってるよ」
そう言うと、あやちゃんは子供向けに設置している本棚を漁り始めた。
「確か、4人の騎士が禁断の果実の力を使って世界の絶望を箱に封じ込める話だよね?」
「はい。その中に出てくる果実の力がこの箱の中身だと、聞いています」
「絵本持ってきたよ!確かねえ・・・」
あやちゃんが開いたページには、4人の騎士が柘榴(ざくろ)、鬼灯(ほおずき)、無花果(いちじく)、枇杷(びわ)を手にしているところだった。
「箱に彫られている果実とおんなじ!?」
「あっ!ほんまやねえ」
「私は何故か、この箱の持ち主が仁美さん達の様な気がしてならないんです」
Aちゃんの言葉に、驚きを隠せずにいた。
「雨、上がったみたいなので、帰りますね。お話聞いてくれてありがとうございます!今度はお客さんとして来ますね!」
Aちゃんは急いで立ち上がると、リュックに箱を丁寧に仕舞うと、背負い、きりやを連れて出て行ってしまった。
ポカンとしていると、Aちゃんが出て行った方に向かって、白服の男達が大勢走って行った。
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作者名:横峯俊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=shun0911
作成日時:2018年10月16日 23時