猫さん ページ3
「そういえば、名前聞いてへんね」
いい香りのする飲み物を置いてくれたお姉さんが目の前の席に座って言った。
「Aです・・・黒猫はきりやっていいます」
カップに手を伸ばしたが、思っていたより熱く、机に戻した。
「もしかして、熱いの苦手?」
きりやを拭いてくれたお姉さんが手の中に収まったまま、机に置かれているカップを見て言った。
「すいません、せっかく淹れて貰ったのに・・・」
「ラッテは飲める?」
「飲めますよ」
「ちい、ラッテ持ってきて」
「はーい」
私に傘を差してくれていたお姉さんのちいさんは、カウンターの奥へラッテを取りに行った。
そして、二匹の白猫と共に戻ってきた。
「ひーちゃん、ラッテに釣られてふうとみかんも来ちゃった」
ラッテが入った瓶をきりやを拭いてくれたお姉さんのひーさんへ渡して、足元に戯れていた、ふうとみかんと呼んでいた猫を抱き上げた。
「このルテにはラッテがものすごく合うんだよ!」
「ラッテ、どのぐらい注いだらいいですか?」
「あやはたっぷりが好きだよ」
バスタオルをかけてくれたお姉さん、あやさんは教えてくれた。
せっかくなので、カップが持てるギリギリまでラッテを注いだ。
一口飲むと、優しいスパイスの薫りが鼻を抜けた。
「美味しい」
不意に出た言葉に、お姉さん達は笑ってくれた。
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作者名:横峯俊 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=shun0911
作成日時:2018年10月16日 23時