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彼女と鏡の話−5 ページ32

トイレの洗面台前にて

「ひっ」

廊下にて

「わっ」

階段の踊り場にて

「あっ」


私が小さく声を上げる度に結衣は

「優希」

としっかりとした口調で私の名を呼ぶ

私はその一言で恐怖から解放される


…洗面所で女子生徒の幽霊らしき者に鏡ごしに出逢ってから
学校の鏡に私が映る度に私にしか見えない彼女が鏡の中に現れるのだ

私は彼女のあの瞳と引きつったような笑みが視界に入ると
雁字搦め(がんじがらめ)に縛られたかのように動けなくなってしまう

...なのに、それでいて視線は目は彼女の方を向こうとする

それを抑制するだけでも、
少しずつだけれど精神を削られ、疲弊していく



―――でも、

「大丈夫?」

結衣が整った顔を心配する表情へと歪ませ、そう聞いてくる
私はそれだけでも、少し救われた気分になる

だから、

「うん。結衣がついてるからね」

と言って笑顔を浮かべられた

この頼りになる親友は、そばにいるだけでも、
相手を安心させるようなスキルでも持ってるいるのかもしれないな…

とかなんとか思っていると…

「にしても、なーんで私の前には現れないのかしら?その幽霊…」
「…人の苦労も知らず、その発言とは、、、感心した私は馬鹿だったのかな?」
「何か言った?」
「…別に、何も」


でも、こんな状況、早く終わってくれないかなぁ

1日目でこんな疲れるとは…



私は気づいていなかった
恐怖をすぐに忘れられたから「疲れる」だけで済んでいた事に

この恐怖が視界に彼女が映るだけで終わるはずが無いという事に――――

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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