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少年と桜の話−2 ページ19

僕は思わず、クスッと笑ってしまった

すぐさま、結衣が僕を睨む

「湊兄さん、何がおかしいの?」
「ごめん、ごめん、
 だってそれ、もうオチが見えてるじゃない?
 桜の下には死体があったっていう、よくある怪談でしょ?」

僕がそう言うと、結衣はワザとらしく「はぁぁぁぁ…」とため息をついた

「湊兄さん。そんな単純な話なら、私はこんなにもったいぶって話さないわ
 …白骨を言っても、どこかの指の一部みたいな、小さな白骨なの
 で、ここからが本題よ」

そうか、ここからだったんだ…

「毎年毎年、小さいとはいえ白骨が見つかるのに興味を持った男性がいたの
 男性はその年の秋に、友達と一緒にその桜の下を掘ったそうよ」
「どうだったの?」
「何も出なかったわ」

淡々と告げられた結果に少し落胆する

いや待て、結衣がこんな結果の話をわざわざするわけがない...よね?

「で?」
「男性は、その結果に納得できなかったみたいね
 1週間後にまた掘りにでかけたみたいなの…そして、、、
 男性は帰ることはなかったわ
 そんなことになったら、さすがに男性の友達も気になるでしょう?
 だから、友達はあの桜のところまで行ったの
 …一応掘ってみた桜の下には何もなくて、近くには小さな白骨が落ちていたそうよ」
「戻ってこなかった男性は?」
「帰ってくることはなかったわ
 私はその話を聞いて調べたんだけど、
 あの桜のある町を最後に行方不明になった人が、毎年秋にいるみたいなのよね…」

話終わると、結衣がさっきまでとは打って変わって笑顔を見せた

「まっ、信じても信じなくても、どちらでもいいよ
 それは湊兄さんの自由
 じゃ、私はお母さんの手伝いしてくるから」
「あ、あぁ、わかった」

…先ほどの話を考えてみる

ただの偶然だよな…
結衣には悪いけど、オカルトなんてないと思ってるからな、僕...

「湊ーっ
 手伝って!!」

母に呼ばれ、親の手伝いをすることになった僕は、
手伝い終わる夕方には結衣の話をすっかり忘れていた

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設定タグ:黒猫 , オリジナル , ホラー   
作品ジャンル:ホラー, オリジナル作品
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寒極氷化(プロフ) - とらさん» いやぁ、CMみたいな猫だったら私は嬉しいですけどねww それに、ガン付けている黒猫も可愛い!!!! (2014年6月10日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - それでも黒猫のよく顔を見た人によれば「ガン付けてる」とのこと、確かにシャムとかよりもきつく見える、CMみたいな「鯛食べたい」との要求はないが(笑) (2014年6月9日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - とらさん» それはすごく羨ましいしですね! 私なんか、何回逃げられたことか…(T_T) (2014年6月9日 18時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)
とら - 確かに黒猫の不吉な噂は聞きますが自分にしてはその辺にいるただの猫ですね、黒猫に何回絡まれてきたのやら (2014年6月7日 20時) (携帯から) (レス) id: 76e6498593 (このIDを非表示/違反報告)
寒極氷化(プロフ) - アリスさん» ホントですかっ 自分ではどうもそう思えないので、そう言ってもらえるのは嬉しいです (2014年6月2日 17時) (レス) id: c03204db58 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寒極 氷化 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kangoku/  
作成日時:2013年11月10日 0時

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