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『祐也、こんな車乗ってるんだ』
大きなトランクを後部座席に積み込んでいると、意外、と言った感じでAは車を覗き込む。
「いやいや。どう見たってレンタカーでしょうよ」
さすがに、俺の車で来たらめっちゃ目立つだろうから、シンプルなコンパクトカーを借りてきた。
『なんだ、そっかー』
「俺の車は後でいくらでも乗せてやるから」
助手席に乗り込んだAがシートベルトを装着したのを確認して、車を走らせる。
車に乗ったことでついついキスしそうになったけど、何とか堪えた。
一応、誰か見てるかもしれないし。
二人きりになってからのお楽しみにしとくことにした。
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『祐也の家に行くんじゃないの？』
ホテルのスタッフに誘導されるまま地下駐車場へのスロープを降りていくと、Aは不思議そうにこっちを見る。
今日は俺ん家に泊まって、明日はAの生活必需品の買い物に付き合う約束をしていた。
けど、せっかくならとホテルのスイートルームを抑えといた。
「今日はここに泊まるから。
飛行機疲れたっしょ。ゆっくりしよ？」
「お部屋までご案内致します」
「あー、大丈夫っす。そこのエレベーターで上がればいいんですよね？」
ベルボーイの案内を断って部屋のキーを受け取ると、エレベーターに乗り込んだ。
「やっと二人きりだ」
結構我慢の限界で、扉が閉まったと同時にキスした。
幸い最上階までエレベーターは止まらずに上昇し続けて、その間短いキスを何度も繰り返した。
『すごい。この部屋、物凄く高いよね？』
部屋に入って早々、窓の外の景色に釘付けになってるAを後ろから捕まえる。
「そんなの、後からでも見れるから。
それより、俺もう限界」
そのまま一緒にベッドに倒れ込んでAの上に覆い被さると、背中に腕が回されて、身体を引き寄せられた。
「何？Aも積極的じゃん」
『私もずっとこうしたかったから』
そのままどちらからともなく深いキスを重ねる。
疲れたからゆっくりしようなんて、まぁ無理に決まってるわな。
「好きだよ。A」
『私も、祐也が大好きだよ？』
「俺たち、ずっと一緒にいようね？」
『もちろん』
再び唇が重なって、身体がより密着する。
俺とAとの日本での生活は、熱い夜から始まった。
end.
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作者名：まり
| 作成日時：2019年10月15日 1時
