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第7話 ページ8

俺は今、撮影スタジオにいる。
モデルとしての初仕事である。


「···次の撮影のモデル、誰?」
「黄瀬涼太さんだそうです」
「さっきのモデルの子は、表情ガッチガチで話になんなかったけど、その子はどうなの?」
「黄瀬くん、これが初仕事らしいので期待は出来ないですね」
「初仕事でこの撮影って···新人で務まるような撮影じゃないだろ!」
「どこサイドのゴリ押しでしょうね?」
「···何にせよ、期待は出来そうにないな」


カメラマンの男性と照明の女性の会話が俺の耳にまで届く。
···全部聞こえてるっつーの!!


確かにこの仕事は、初仕事にしてはレベルが高い。
他のモデルは皆、ベテランのモデルばかりだ。
モデルが新人であることに、文句が出るのも十分に理解出来る。
···でも、俺だって中途半端な気持ちでここに来てない。
メインのモデルじゃないからそんなに長い時間の撮影ではないが、やるからには、ここで撮影したモデルの誰よりも輝いて帰る。
そうしないと必死にこの仕事を掴んできてくれた、母さんに申し訳ない。


「じゃあ、黄瀬くん」
「カメラの前に行ってもらっていいかな?」
『はいっス!』


遠くから母さんが心配そうに俺を見てる。
安心してよっていう意味で、母さんにウィンクをする。


『黄瀬涼太っス!よろしくお願いします!』


カメラマンに元気に挨拶をしてカメラの前に立つ。
さっきの男性カメラマンは、俺に言った。


「うん、よろしく」
「黄瀬くん顔が良いし、良い写真取れそうだよ!」



芸能界は笑顔の裏に嘘と打算が隠れてる。
新人のモデルだろうとベテランのモデルだろうと、最大のパフォーマンスを引き出すためスタッフだって嘘を吐く。



深呼吸をする。


このカメラマン、運が良かったね。
良い写真が取れそうって嘘を、俺は、俺だけは、本当にすることが出来るんだから。


色々なポーズで写真を撮っていく。
ここにいる人みんなが、驚いた顔をしてる。
俺の前に撮影があったモデルだって、人の視線だって、照明の光だって、小道具だって、全てが俺を照らすためのものでしかない。
今、この空間で最も輝いてるのは俺で、この空間は俺のためにある。


あぁ、楽しい。
すごく楽しい。
やっとつまらない毎日から抜け出せた。



芸能界(ここ)こそが、俺の世界だ。

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名無し81795号(プロフ) - 黒子も推しの子も好きなのでめちゃくちゃ面白いです‼️ (1月10日 12時) (レス) id: ee075f74a4 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 好き!!!!続きを待ってます!!!!! (1月7日 13時) (レス) @page44 id: 9c60d68ce5 (このIDを非表示/違反報告)
アムス - 遂に、推しの子と黒バスがクロスオーバー°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°楽しみにしています!! (6月26日 21時) (レス) @page2 id: 9e21e9a7d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うよ | 作成日時:2023年6月26日 19時

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