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第39話 ページ40

『台風ヤバ···』


窓に打ち付ける雨と風の音が部屋に響く。


今日は台風の影響で部活がなかった。
本当なら今頃、青峰くんと1on1してた時間なのになぁ。
仕事も入ってないから暇だ。


コンコンと俺の部屋のドアが鳴った。


「トワ、入るわよ」


深刻そうな顔をした母さんが部屋に入ってきた。


「実は、アクアが警察のご厄介になったみたいで···迎えに行ってくるわ···」
『···マジ?』
「マジよ···」
『···俺も着いてくよ、心配だし』




「それにしても、本当に何をやらかしたのかしら···」


車を運転しながら母さんが呟く。


兄ちゃんが警察の厄介になるなんて考えづらいんだよなぁ。
それにこのタイミングでしょ?
黒川さんが関係してるんじゃないかなぁ···?


『そんなに深刻に考えなくてもいいと思うよ』
「···なんで?」


バックミラー越しに俺の顔を見つめる母さんに笑顔で言う。



『兄ちゃんだから!』







「···き···ト···ろ···起きろトワ!」
『···あれぇ?俺ぇ、寝てたぁ?』
「ぐっすりな」


目を開けると兄ちゃんの顔がドアップで目に入った。
これ、どんな体勢なんだ···?


「警察署に着いて後部座席見たら、トワ寝ててびっくりしたわ」


警察署···?


『あぁ!!兄ちゃんなんで警察署に居たの!?』



「あかねが飛び降りしようとしてて、それを止めただけ」



やっぱり、黒川さん関係だったかぁ。


『怪我ない?』
「大丈夫」
『···兄ちゃんは、世界で1番優しいね!』
「···トワに、俺は悪い子だって言われたからやっただけ」
『照れてる?』
「照れてない」


完全に照れてる。
兄ちゃんが照れるのレアだなぁ。


ところで、


『なんで俺、兄ちゃんに膝枕されてるの?』
「寝顔が可愛かったから」
『···そういう恥ずかしいことよく平気で言えるよね』
「···照れてる?」
『照れてない!!』


やり返された···!
最近、バスケと仕事が忙しくて兄ちゃんとあんまり一緒に居れなかったし···もっと甘えてやろ!


「うおっ!」


兄ちゃんの腹に頭をグリグリと押し付ける。


「甘えたか?」
『うん···』


そう言うと、兄ちゃんは俺の頭を優しく撫で始めた。


「トワ!もう少しで家に着くから、寝ちゃダメよ?」
『···う···ん···』



そういえば、あの夢見なかったなぁ。
あの夢を見ないで寝れる日なんてないのに。

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名無し81795号(プロフ) - 黒子も推しの子も好きなのでめちゃくちゃ面白いです‼️ (1月10日 12時) (レス) id: ee075f74a4 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 好き!!!!続きを待ってます!!!!! (1月7日 13時) (レス) @page44 id: 9c60d68ce5 (このIDを非表示/違反報告)
アムス - 遂に、推しの子と黒バスがクロスオーバー°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°楽しみにしています!! (6月26日 21時) (レス) @page2 id: 9e21e9a7d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うよ | 作成日時:2023年6月26日 19時

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