第3話 ページ4
「「「モデルにスカウトされたぁ??」」」
家に帰ると兄ちゃんも姉ちゃんも帰ってきていた。
『そう』
『スカウトされた』
「それでどうしたのよ?」
『話と連絡先だけ聞いて、帰ってきた』
『ほら、名刺』
貰った名刺を母さんに渡した。
母さんと姉ちゃんは名刺に目通していて、兄ちゃんは考え事をしているみたいだった。
「大手の事務所ね···」
『みたいだね』
大手の芸能事務所がスカウトってどんだけ人足りてないの??
「それで?モデル、やりたいの?」
母さんが真剣な顔をして聞いてきた。
『···うん、やってみたい』
「···いいじゃん!!モデル!!」
「ママだって、トワはモデルになるかもって言ってたし!!」
姉ちゃんはこの決断に喜んでるみたいだけど、母さんと兄ちゃんはあまりいい顔をしなかった。
「···本当にやれるの?」
『やってみせるよ』
『でも、この事務所には入らない』
『···母さん、苺プロで僕を雇ってほしい』
「······」
やっとつまらない毎日から抜け出せる可能性が見えてきたんだ。
簡単に手放してたまるか。
『お願い、母さん』
「皆がアイのように上手く行く訳じゃないのよ」
『わかってる』
「······」
「詳しい契約の話は晩ご飯を食べた後にしましょう」
『え···本当!?』
思っていたより早く、母さんは納得してくれた。
でも···
『兄ちゃん···』
「俺は認めない」
やっぱり。
「ちょっとお兄ちゃん!!」
「可愛い弟の新たな1歩だよ!?」
「背中押してあげてもいいじゃん!!」
「······」
こうなるってわかってた。
兄ちゃんはまだ、ママの死を受け入れきれてない。
まぁ、僕もだけど。
本当はこの手は使いたくなかったんだけどなぁ。
僕は深呼吸する。
そしてママを思い浮かべる。
天才と呼ばれたB小町のアイを。
太陽みたいな笑顔。
完璧なパフォーマンス。
無敵に思える言動。
吸い寄せられる天性の瞳。
僕はゆっくりと目を開ける。
目の前には目を見張った兄ちゃんがいる。
『アクア、僕を信じて?』
「ア······イ···?」
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名無し81795号(プロフ) - 黒子も推しの子も好きなのでめちゃくちゃ面白いです‼️ (1月10日 12時) (レス) id: ee075f74a4 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 好き!!!!続きを待ってます!!!!! (1月7日 13時) (レス) @page44 id: 9c60d68ce5 (このIDを非表示/違反報告)
アムス - 遂に、推しの子と黒バスがクロスオーバー°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°楽しみにしています!! (6月26日 21時) (レス) @page2 id: 9e21e9a7d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うよ | 作成日時:2023年6月26日 19時