第27話 ページ28
「お兄ちゃんは収録で忙しい、トワも撮影で忙しい」
「かたや私は······」
仕事を終えて事務所に帰ってくると、姉ちゃんの声が聞こえた。
「先輩、仕事無いの慣れてるでしょ？普段何して過ごしてたの？」
「顎にジャブ入れて脳揺らすぞ、コラ」
あっ！かなちゃんも居るんだ!
初めて会った日は、俺が兄ちゃんと姉ちゃんの弟だったことに驚いてたけど、今では『かなちゃん』「トワ」って呼び合う程、仲良くなった。
かなちゃんとの会話は楽しいし、居心地が良いから
俺は好きだ。
「暇なら勉強してなさいよ」
「アイドルなんて、売れても食えない上に旬の短い仕事なんだから」
「良い大学入る為に何かした方が人生にとってプラスよ」
「身も蓋も無い······」
『···そういうかなちゃんは、何を読んでるの？』
「あら、おかえりトワ」
『ただいま、かなちゃん』
「おかえりトワ！お疲れ様」
『姉ちゃんもお疲れ様』
『で、かなちゃんはなんの本を読んでるの？』
「よくわかる、エリマキトカゲ」
··大学進学にその知識いる？
エリマキトカゲが入試に出てくる大学ってあるの？
それとも···かなちゃん、エリマキトカゲ好きなの？
『···そういうば、ユニット名決まったの？』
「先輩がゴネるから、決まってない」
「だって、名前付けたらもうマジでしょ···私まだアイドル名乗る踏ん切り付いてないっていうか······」
かなちゃんは、兄ちゃんのゴリ押しでアイドルをやることになったからなぁ。
自分から進んで決めたことじゃないから、踏ん切りつかないよね···。
「良いじゃん、[アイドル有馬かな]って」
「恥ずかしい!実績の無い自称アイドルとか、親になんて説明したら良いの!?」
「実績があれば踏ん切りが付くのかしら？じゃあ実績を作りましょう」
そう言って母さんが小さなカメラを持ってきた。
カメラ···ってことは、ユーチューブか。
確かに新人アイドルの下積みと言えば、ビラ配りとか、アイドルの合同ライブに出演したりだったけど、時代は変わった。
今はネットで名前を売れる。
なにより、
「これでも苺プロはティックトッカーやユーチューバーを多く抱えるネットに強い事務所よ」
「ノウハウはあるわ」
そう。
ネットなら苺プロは強い。
···いや、正しくは母さんがネットに強い事務所にしたんだ。
ママが死んで、斉藤社長が音信不通になってから。
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名無し81795号(プロフ) - 黒子も推しの子も好きなのでめちゃくちゃ面白いです‼️ (1月10日 12時) (
レス) id: ee075f74a4 (このIDを非表示/違反報告)
結葉(プロフ) - 好き！！！！続きを待ってます！！！！！ (1月7日 13時) (レス) @page44 id: 9c60d68ce5 (このIDを非表示/違反報告)
アムス - 遂に、推しの子と黒バスがクロスオーバー°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°楽しみにしています！！ (6月26日 21時) (レス) @page2 id: 9e21e9a7d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うよ | 作成日時：2023年6月26日 19時
