キセリョはアイの子!![黒バス][推しの子]

第12話 ページ13

「♪♪♪」


姉ちゃんがB小町の「サインはB」を鼻歌で歌っている。
···若干音ズレてるなぁ、アイドル志望なのに。


「音ズレてるぞ、ルビー」


あっ、兄ちゃんからツッコミ入った。


『ノリノリだね？姉ちゃん』
「当たり前じゃん!!芸能人に仲間入りだよ？やっと、トワと同じ世界に来たんだよ？嬉しいに決まってるじゃん!!」
『···そうだね』


苺プロ所属になっただけで芸能活動はしていないから、芸能人とは言えないけどツッコまないでおこう。


「トワと同じ世界にって言うけど···正直に言って、トワのいるレベルにはまだまだ遠いわよ？」
「そもそもデビューしてないし」
「わかってるよぉミヤコさん！トワ、有名になったもんね」
「しかも異例の速さでな」
『···褒めすぎじゃない？みんな』
「期待の新人モデルが何を言ってるの？」


俺は、モデル業界で、知らない人はいないレベルまで有名になった。


なぜそんなに有名になったのかというと、デビューの初仕事で雑誌の表紙を飾ったからだ。


最初は「新人が表紙とかありえない！」と炎上していたのだが、だんだん「元々表紙になる予定だったモデルより、黄瀬くんの方がかっこよくない？」とか「顔、整いすぎw」、「綺麗すぎて人形みたい」、「目が凄い惹かれる」と話題になり、雑誌の売り上げが想定の倍の金額を叩き出した。
そこから一気に知名度が上がり、期待の新人モデルと呼ばられるようになった。
今では、仕事がドンドン入ってきて、外に行くときは変装が欠かせなくなった。
···ファンに囲まれちゃうから。


『半年でこんなに人気になるって凄いよねぇ』
「他人事だな」
『えへへ、まだ実感ないんだぁ』
「デビューの雑誌が発売されたとき、事務所の電話が鳴り止まなかったのには流石に寒気がしたわ」


雑誌が発売したときは、黄瀬涼太への仕事の依頼と黄瀬涼太ってどんな子なのという問い合わせで電話がずっと鳴ってた。


「まだまだトワには、程遠いかぁ」
『これから一緒に頑張っていこうね？姉ちゃん!!』

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