チョコレートが七十六個 ページ33
「依頼……ですか?」
新八くんがオウム返しのように聞き返す。彼女は新八くんの言葉に相槌をうち続ける。
「先程も言った通り、私の父が銀さん……銀時さんに会いたがっているんです。その、一目でも良いのでお願い出来ませんか?」
不安そうに聞く彼女に対し、神楽ちゃんと新八くんは明らかに戸惑いの色を見せる。桂はずっと俯いている私を気にかけて「大丈夫か?」と声をかけてくれた。
「銀時さんもご存知の通り、私の家は旅館を営んでおります。それで……是非お食事でもどうかと父から伝言を預かっておりまして──」
お願い出来ませんか?と胸の前で手を組み、祈るようなポーズでもう一度頼み込む彼女。まるで、先程の私とのやり取りは無かったかのように振る舞う彼女に、少しだけ違和感を覚える。
しかし、銀時は静かに話を聞いてから一言、「その依頼、承った」と静かに言った。
そこで漸く私が顔を上げると、揺らぐ瞳の銀時と目が合った。彼は私の方へつかつかと歩み寄り、ポンと頭に手を乗せる。
「お前、着流し姿ってこたァ今日は休みなんだろ? なるべく早く帰ってくるからよ、ここで待っててくれねェか?」
依頼人の前で早く帰る等と言っていいのかと気になったが、今は銀時が私を気にかけてくれているということだけで沈んでいた気分が上昇する。
頷いてから「行ってらっしゃい」と笑えば、銀時も安心したように微笑んだ。
「んじゃ、ちょっくら行ってくるからよ。新八ィ、神楽ァ、お前らは留守番頼まァ」
そんな彼の言葉に、まだ戸惑っている新八くんと自分も連れて行けと抗議する神楽ちゃん、そして、コソコソと動き出す床で伸びていた忍びの子。
暴れる神楽ちゃんを新八くんが抑えているうちに、銀時と依頼主さん、忍びの子は万事屋を出ていった。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物……かもしれない!
誰かのもんじゃ
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梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今回もダークマターでした。呪われているのでしょうかね…。しかし、ダークマターって作れるものなのでしょうか?(笑)寿司を作る時も妙さん、ダークマターになっていたのでね…ある意味才能(笑) (2019年10月16日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんですって!?可笑しいですね…一応十種類以上ある筈なのですが…。ま、まぁ、お妙さんの手料理を振る舞われている訳ですから、きっとお気に入りなんでしょう!! 今回はどうでしょう?もしまたダークマターでしたら、実際に作ってみては?← (2019年10月16日 22時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今日のラッキー食べ物もダークマター!?!?ほっ他のもあっありますよね?妙さんに嫌われているのでしょうかね?近藤さんよりはマシだと思うのですがね…。G(生命力がゴキブリ)と同類…考えたくもねーや← 人生リセットボタンならぬ人生リセット食べ物ですね() (2019年10月15日 21時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんと…! ……最近、嫌な思い出はありませんか?そんなときは、ダークマター! 嫌な記憶がさっぱり抜け落ちます!もれなく良い思い出も消え去りますが…。人生のリスタートには、ダークマターが必需品です!! …何を言っているんでしょう。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 続きも気になりましたが…ラッキー食べ物がダークマター…だと!? (2019年10月13日 16時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨音 | 作成日時:2019年7月21日 21時