チョコレートが七十五個 ページ32
驚いた顔をして、涙を目に溜めた彼女が私を見つめる。見つめられるのに慣れていない私は目を逸らしそうになるが、ぐっと耐える。
「ふ、深い意味は無いんだけど……そのなんて言うか……」
そこで、私は自分が何を言ったのか漸く自覚した。どうしよう、すごく恥ずかしい……。
彼女から視線を逸らし床を見る。そして、大きく深呼吸してから顔を上げ、彼女と目を合わせる。
「私の方が銀時のこと、知ってる、し……」
言っている途中でだんだんと恥ずかしくなり、声も小さくなってしまう。しかし、その声量でもこの場にいる彼らには聞こえたようで、次々に野次を飛ばしてきた。
「よくぞ言ったなA。偉いぞ、これでまた一歩成長出来たではないか」
「うおおお!! ついにドロドロしてきたネ! 銀ちゃん! 銀ちゃんはどっちを選ぶアルカ!?」
「ちょっと神楽ちゃん!? ……って銀さん! ちょっ、しっかりして下さい! 銀さん!!」
銀時の胸ぐらをつかみ、ゆっさゆっさと前後に激しく動かす神楽ちゃん。銀時は次第に青白くなっていく。
「ぎ、銀さん……大丈夫ですか?」
新八くんと共に介抱する彼女の手は震えていた。
「え、あの……まじに言ってる? Aチャン?」
顔色はまだ良くないが、喋れる程度には回復した銀時が、何処かソワソワした様子で此方に問う。だか、その話題で恥ずかしさが絶頂に達していた私の頭は混乱していて、上手く言葉が出てこない。
ぁ…、えっと……ぐらいしか喋れなくて、早く言わなきゃと焦りが募る。
しかし、焦りが募れば募るほど混乱してしまう。メダパニをくらったのではないかという程だ。
皆はこたえない私の返答を待っているようで、万事屋には私の震えた声だけが響く。
「あ、の……ぇっと……」
言葉が詰まり、オドオドしている私を見兼ねてか、銀時は私の頭に手を乗せ──
「悪い、混乱させたな」
と言って、寂しげに笑った。
「ごめん……」と下を向いて言った私と気まずい雰囲気の銀時に何を思ったのか、依頼主である彼女が口を開いた。
「あ、あのっ……こんなときにアレなんですが、私の依頼を……聞いて頂けませんか?」
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物……かもしれない!
誰かのもんじゃ
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梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今回もダークマターでした。呪われているのでしょうかね…。しかし、ダークマターって作れるものなのでしょうか?(笑)寿司を作る時も妙さん、ダークマターになっていたのでね…ある意味才能(笑) (2019年10月16日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんですって!?可笑しいですね…一応十種類以上ある筈なのですが…。ま、まぁ、お妙さんの手料理を振る舞われている訳ですから、きっとお気に入りなんでしょう!! 今回はどうでしょう?もしまたダークマターでしたら、実際に作ってみては?← (2019年10月16日 22時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今日のラッキー食べ物もダークマター!?!?ほっ他のもあっありますよね?妙さんに嫌われているのでしょうかね?近藤さんよりはマシだと思うのですがね…。G(生命力がゴキブリ)と同類…考えたくもねーや← 人生リセットボタンならぬ人生リセット食べ物ですね() (2019年10月15日 21時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんと…! ……最近、嫌な思い出はありませんか?そんなときは、ダークマター! 嫌な記憶がさっぱり抜け落ちます!もれなく良い思い出も消え去りますが…。人生のリスタートには、ダークマターが必需品です!! …何を言っているんでしょう。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 続きも気になりましたが…ラッキー食べ物がダークマター…だと!? (2019年10月13日 16時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨音 | 作成日時:2019年7月21日 21時