チョコレートが七十一個 ページ28
「してA、甘味を持ってどこへ行く気だ?」
首を傾げて聞く桂に、銀時のトコと伝えると、
「ふむ。……ということはお前は昨日の出来事を知らぬのだな?」
と意味深な言葉が返ってくる。私がその言葉に頷くと、桂は憐れむような目で見てくる。
「昨日はまる1日仕事だったの。何かあったの?」
「いや……まぁ行けばわかる。少々やっかいなことになっていてな。仕方あるまい、俺が着いていってやろう」
「いや、いらないけど。というか、ヅラこそこんな所でどうしたの? 捕まるよ?」
即答する私に対し、桂はコホンと咳払いをし、
「銀時の所から逃げ帰って来たところだ」
とまたもや真顔で言う。
いや、それよりもあの桂小太郎が逃げ帰るとは何事なのだろうか。勿論、桂の異名には『逃げの小太郎』なんて名もあるけれど、コイツはそんな奴じゃない。むしろ、銀時に帰れって言われてもそこに居座るようなやつだ。
桂の言っていた
「なんというか修羅場でな。……しかし、まさか銀時にあんな若い女子の知り合いが居たとは……」
と、桂そんなことを言う。
「え、修羅場ってそういう修羅場? 金銭面じゃなくて……その、女性関連の方なの?」
「あぁ。だが、お前と銀時は確か──」
「黙って」
「……すまん、踏み込みすぎたな」
別に私と銀時が恋仲などという事実はないし過去もない。あるのは、告白された、しかも数年前にということだけだ。
それが数ヶ月前に再会し、"まだ待っている"なんて言葉に酔わされ、でもそこで躊躇したのは私自身だ。
銀時が幸せになることなんて素敵なことじゃないか。
なのに、それを素直に喜べなくて、自分の性格の悪さに嫌気がさす。私の方が銀時のことを知っているのに、なんて馬鹿げたことまで思ってしまう。
少しの間、俯いて口をキュッと結んでいる私を見て察してくれた桂が声をかけてくれるが、今はそれどころじゃない。
自分の感情と頭の整理が追いつかなくて、鼻の奥がツーンとし、視界がぼやけてくる。
もう銀時とは昔みたいにバカ出来ないのだろうか。
もう一緒にいることは出来ないのだろうか。
そんなことばかりが嫌でも思いついてしまう。
「Aっ! しっかりしろ!!」
そんな中、私を現実に引き戻してくれたのは、桂の普段と違う力強い声だった。
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキー食べ物……かもしれない!
誰かのもんじゃ
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梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今回もダークマターでした。呪われているのでしょうかね…。しかし、ダークマターって作れるものなのでしょうか?(笑)寿司を作る時も妙さん、ダークマターになっていたのでね…ある意味才能(笑) (2019年10月16日 22時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんですって!?可笑しいですね…一応十種類以上ある筈なのですが…。ま、まぁ、お妙さんの手料理を振る舞われている訳ですから、きっとお気に入りなんでしょう!! 今回はどうでしょう?もしまたダークマターでしたら、実際に作ってみては?← (2019年10月16日 22時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 梨音さん» 今日のラッキー食べ物もダークマター!?!?ほっ他のもあっありますよね?妙さんに嫌われているのでしょうかね?近藤さんよりはマシだと思うのですがね…。G(生命力がゴキブリ)と同類…考えたくもねーや← 人生リセットボタンならぬ人生リセット食べ物ですね() (2019年10月15日 21時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
梨音(プロフ) - 梍鵺さん» なんと…! ……最近、嫌な思い出はありませんか?そんなときは、ダークマター! 嫌な記憶がさっぱり抜け落ちます!もれなく良い思い出も消え去りますが…。人生のリスタートには、ダークマターが必需品です!! …何を言っているんでしょう。 (2019年10月15日 20時) (レス) id: 2014aa6b49 (このIDを非表示/違反報告)
梍鵺(プロフ) - 続きも気になりましたが…ラッキー食べ物がダークマター…だと!? (2019年10月13日 16時) (レス) id: 8589870327 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨音 | 作成日時:2019年7月21日 21時