【◇】センパイ。

センパイ。 ページ19

今日は先輩たちの卒業の日。




御「今年は泣かねーのな。


中学の時は号泣だったくせに」



貴「せ、成長したんです！」



御「へぇー」


貴「どこ見て言ってるんですか変態！！」


御「いって！！」





もしかしたら先輩はあの日のことを忘れているかもしれない。



ちょっと悲しいけどしょうがないと思う。



それに、先輩から好きって言われただけでも幸せだったから。




後悔はない、はず。




御「そういえばさ、白石」




貴「なんですか？」




御「今でも待っててくれたりする？」




貴「……え」




そう言った先輩は、私の頰を優しく撫でて、微笑みながら囁いた。



御「遅くなってごめんな。


俺と、付き合ってください」





白石未来、16歳。


初めての彼氏ができました。


中学のとき一目惚れした、初恋の人と。

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