【◇】センパイ。

ずっと好きでした。 ページ18

沈黙が続いた。



そこまで長くなかったかもしれないけど、私からしたらすごく、すごく長い沈黙だった。


しばらくしてから先輩が口を開く。




御「…ごめん。俺はお前とは付き合えない」



あぁ、やっぱり。


これで私の片思いは終わった。



フラれるって、わかってても辛いものは辛い。



じわっと視界が歪む。




でも、無理やりでもいいから笑っていないとダメな気がして、引きつってるかもしれないけど笑って言った。




貴「…い、勢いで言っちゃってすみません。

図々しいかもしれないけど、これからも後輩としてよろしくお願いしま「今は。」……え？」



思わず顔を上げると、先輩と目があった。



御「俺さ、お前も知ってると思うけどそこまで器用じゃねーの。


今年は俺たちの最後の夏で、野球と…その、恋愛とかを両立していける自信もない。

そのせいでお前を傷つけたくねぇし。



だから、お前が良かったらなんだけど…


もう少しだけ待っててくれねぇ？」





…“待つ”？






貴「……え、じゃあ」







御「…俺も好きだよ、白石のこと」


少し頬を染めて笑いながら先輩は言った。



1番聞きたかったその言葉が聞けた瞬間、涙が溢れて止まらなかった。

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