終わりを告げ、始まりを迎える* ページ8
目の前に、女が横たわっている。
それは私だと直感する。
苦痛の末にようやく絶命することが出来たのだろう、見開いた目はすっかり乾き、口は何かを伝えようと半開きになっていた。
肉を骨ごと断つような痛み。
刃が皮を突き破ったその瞬間が、はっきりと思い出せる。繊維を割く音が、今も耳の奥にこびり付いて離れない。
成す術もなく、呆気なく散ってしまった。
『私は大丈夫です。──さま、私は一人でも大丈夫』
だって、私には────……
「────、────!!」
あの人が、私の亡骸を抱いていた。
四本もある逞しい腕で、ぴくりとも動かなくなった私をしっかりと抱きしめている。
私はそんなに彼に想われていたのか。
それはたまらなく嬉しいはずなのに、涙が止まることを忘れたように零れ続ける。
後悔だけが、私をこの場に引き止めていた。
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ゆず(プロフ) - 初めまして宿儺様沼にハマり、作者様の作品に辿り着きました。とても面白いですし、宿儺様との展開が楽しみです!更新大変でしょうが応援しております!! (2021年4月26日 18時) (レス) id: 9087c45e44 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月18日 14時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さっく。 | 作成日時:2021年3月26日 8時