蔓は結ぶ ページ18
「目……と、葉っぱ?」
紙を広げると、その中心には家の家紋とは別に、縦に並ぶ二つの目にアイビーの葉と蔦に似た紋が描かれている。
「家の、もう一つの家紋だよ。何時からあるのかはわしも知らない。ただ、その屍蝋の主と関係があるとだけ聞かされてる」
宿儺さまだ。
「それは、守りであると同時に、良くないものを引きつける」
部屋の向こうから唸るような、おどろおどろしい声が響く。この部屋には入ってこられないと分かっていても、あまりの恐ろしさに思わず手にしていた紙を潰す。
おばあちゃんには聞こえていないのか、淡々と話続ける。
「……ワシのお母ちゃんの姉さんも、お前と同じく良くないものが見えたと言っていた」
おばあちゃんはふうっ……と息を吐いて、静かに私を見た。
「たまにね、生まれてくるんだ。良くないものが見えると言った女児は、皆似たような姿をしている」
そう言われて思い浮かぶのは、夢の中にでてきた少女だった。
「お前はきっと、苦しい道に進むのかもしれないね。それの封印がいつまで持つかはわしにも分からない。古いものだから、お前の目にまた見えているのかもしれないね」
おばあちゃんのがさついた手が私の手を握りしめた。
「許しておくれ……」
それは、何に対しての言葉だったのだろう。
ぽたぽたと小さなしみを作る、雫をぼんやりと眺めながら私は「いいんだよ」と首を横に振った。
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ゆず(プロフ) - 初めまして宿儺様沼にハマり、作者様の作品に辿り着きました。とても面白いですし、宿儺様との展開が楽しみです!更新大変でしょうが応援しております!! (2021年4月26日 18時) (レス) id: 9087c45e44 (このIDを非表示/違反報告)
星空の砂時計 - とても面白いですね♪ 作者さんのペースで更新を頑張ってくださいね! 私も呪術廻戦にハマり、作品を書いている者なので機会があれば何処かでお会いしましょう! *´▽`* (2021年4月18日 14時) (レス) id: a21ef6301e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さっく。 | 作成日時:2021年3月26日 8時