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ユウ達がアトランティカ記念博物館からとある写真を持ってくることが出来なかった場合、Aがポムフィオーレ寮からオクタヴィネル寮へと転寮するという契約。
彼女がこの契約の対価として求めたのは、"何故、アズールは写真を取ってくることを条件としたのか"という理由を説明することであった。
｢ふむ、成程。そういうことでしたか｣
｢……そうですよ。これが条件を出した理由で、僕の人生最大の汚点です｣
アズールは自嘲気味に笑い、薄暗い表情でその言葉を吐き捨てた。
オクタヴィネル寮長だからでもなく、何か叶えて欲しい願いがあるわけでもなく、ただ一人の生徒として接してくれているAには心底知られたくはなかった過去。
呆れられるのだろうか、態度を一変させるのだろうか、それとも近付くなと言われるのだろうか。
こんな考えしか思い浮かばず、アズールは俯きながら己を嘲笑った。
しかし、そんなものは杞憂である。
理由が知れたことによって疑問を解消出来たAは、心做しかスッキリとした顔をしていたのだ。
｢……な、何も言わないんですか？ 僕に向って、嘲りなり何なりの言葉を吐き捨てないんですかッ！？｣
｢貴方が何を怒っているのか分かりませんが、私は貴方を軽蔑することはありませんよ｣
｢何で……！ だって僕はグズでノロマな――｣
｢別に貴方は貴方でしょうに｣
何を言っているのか分からない、とAが怪訝そうな表情で言い放った言葉に、アズールは口を開いたまま言葉になっていない声を漏らす。
｢過去を消し去りたい気持ちも、過去を嫌悪する気持ちも、昔の自分が大嫌いな気持ちも全て理解出来ます。……私も、そうですから｣
前髪に手をやり、ぐしゃりと強く握り締めながら語るAの言葉にはその本気具合が伺えた。
瞳から輝きが消え失せ、傷が出来そうな程に唇を噛み締めている彼女の気迫に押されてしまいアズールは息を呑む。
｢なれど、貴方の隣にはフロイドさんとジェイドさんが居ます。実力と努力を認められて二年生で寮長を務め上げておりますし、沢山のオクタヴィネル寮生から慕われているではありませんか｣
｢……ぼく、は｣
｢貴方の周りには、貴方の力を利用しようと目論む輩ばかりではなく、純粋に慕ってくれる方が沢山いらっしゃるでしょう｣
｢Aさん、僕……！｣
｢胸を張りなさい、顔を上げなさい。それ程の努力をしたのですから、そろそろ己を認めてあげなさい｣
アズールの銀の瞳から涙が溢れ出した。
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ゆるり(プロフ) - ミニ林檎さん» お褒めの言葉、ありがとうございます！承りました。順番に書いていますので、少々お時間頂きますね。 (2020年4月23日 23時) (
レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
ミニ林檎 - 素敵な、ストーリーですね。リクエストしたいのですが閣僚の皆んなから追いかけられる話が見たいです。 (2020年4月23日 20時) (レス) id: a0bbb5bb79 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - ＊＊さん» こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございました！楽しく書かせて頂きました〜！ (2020年4月23日 13時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
＊＊(プロフ) - ポムフィオーレのみなさんの美を追求する姿勢は夢主ちゃんにとっても居心地がいいものなのかなあと、ほっこりしました…！想像するだけで幸せになれる素敵なひとときをありがとうございました (2020年4月23日 11時) (レス) id: dd9fb51a76 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるり(プロフ) - 月兎さん» わ〜！！そんなことを言って貰えて光栄です！リクエスト承りました。順番に書いていますので、少々お時間頂きますね。 (2020年4月23日 0時) (レス) id: 6a421b584d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆるり | 作成日時：2020年4月17日 0時
