最愛シンメトリー【U.Hidaka】 (ページ16)

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うきなすみずは過保護ページ16

「私もバク転したい…」
蓮音くんのバク転を見ながら、呟いた。
「絶対駄目!!」
ばっとこちらを向いて、飛貴は言う。
「危ないもん！絶対駄目!!」
Aにそんな危ないことさせられない！
ものすごく過保護な飛貴。
危ないって…そりゃあちょっと怖いけど、できたらかっこいいじゃん。

「どうしても駄目？」
「駄目！」
……私、なんで飛貴に許可を取った？
やりたいなら、誰かにこっそり教えてもらえばいいじゃん。
雪お兄さん(SnowMan)たちのところにでも行こうかな。
「こっそり練習なんて許さないから」
飛貴にはバレていたようで。
肩を掴まれ、揺らされる。
「絶対、SnowManさんのところ行こうとしてたでしょ！」
「なんでわかるの」
「Aのことならなんでもわかるんだからね!!」
え、怖い……。

「俺もおすすめしないかなー」
肩に置かれた飛貴の手をさりげなく下ろしながら、雄登が言った。
「なんで？」
「……前にローラースケートで捻挫した時、2週間お世話してもらってたのは誰？」
「…私ですね」

ローラースケートの練習中、中途半端に履いて滑っていたため、転んで足首を捻挫してしまった。
転んだ時に咄嗟についた右手も。
一人暮らしで不便だったため、雄登のおうちにお世話になったのだ。

「また、『あーん』ってしてもらいたいの？」
「もう大丈夫です！」
ほとんど何もできなくて不便だし、何よりいろいろと恥ずかしかった…。
『あーん』はもちろん、移動はおんぶかお姫様抱っこだし、雄登のお母さんとお風呂に入るなんて…。

「そもそも、Aのそのあるかないかわからないような筋肉で、バク転なんてできるわけないじゃん」
「それは……筋トレするし！」
「瑞稀くんが聞いたら、怒るだろうね」
瑞稀、という名前を聞いて、口を閉じる。
目をつり上げて、猛反対する瑞稀の姿が浮かぶ。
「や、やめとこうかな」
勝てる気がしない。

「いい子だね！」
私の頭を撫でると、
俺もする！と言って、軽々とバク転をきめる飛貴。
……うちのアクロバット担当は、飛貴にしておこう。