最愛シンメトリー【U.Hidaka】 (ページ15)

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待ち合わせの5分前に行くと、既に飛貴がいて。
相変わらずおしゃれで、皆がちらちら見ている。

「おはよう」
「あっ…おはよ」
声をかけるとすぐにこちらを向いた。
「今日はごめんね」
「いいよ別に。早く行こ」

「これもいいかも…ねえ、どっちがいいと思う？」
服を体にあてて、私に聞く飛貴。
「えぇ……こっち？」
「じゃあこっちにしよっと」
そんな簡単に決めていいのか…？

その後も楽しそうに服を選んでは、似合ってるか聞いてくる。
まあ、服を見るのは嫌いじゃないし。
飛貴は身長高いし、似合ってるから、基本何着てもいいと思うよ。

「あ、これ…」
可愛い柄のシャツを手に取る。
着てみようかな…。
「Aー。あれ、Aってメンズ着るの？」
「あー…謙ちゃんとか瑞稀がくれるのから、よく着てる」
「え!?二人からもらってるの!?」
頷くと、今度俺のもあげる！と言った。
弟くんにあげたらいいのに、と言うと、Aに着てもらいたいの！と。
……意味わかんない。

・

「今日はありがとう」
いっぱい買えた〜、と笑顔の飛貴。
待ち合わせと同じ場所まで来た。
このまま、帰るべき？
時計は12時をさしている。
…まだお昼か。
「飛貴…」
「あ、あのね、Aちゃん…」
俯いた飛貴は控えめに、
「あの…お昼ご飯、一緒に食べない？なんて」
と言った。
いつの間にか、私の服を握っている。

「私も言おうと思ってた」
そう言うと、ばっと顔を上げる。
そんな嬉しそうな顔されるとは…。
「よし、何食べたい？」
「んー……」
「俺のお気に入りのお店でもいい？」
この前連れて行ってもらったから
ニコニコしながら言う。
「いいよ、連れてって」
「任せて！」
と張り切る飛貴は、いつの間にか私の手を握っていた。
………まあ、たまにはいいか。