最愛シンメトリー【U.Hidaka】 (ページ14)

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出かける約束ページ14

お風呂から上がり、自室に戻る。
通知音がして、スマホを手に取った。

飛貴土曜日、Aもお休みだったよね?
飛貴服買いたいから、ついてきてほしいな…

土曜日か……久しぶりのお休みだし、ゆっくりしたかったんだけど。
飛貴と出かけることってあまりないし、たまにはいいか。

Aいいよ

すぐに既読がついて、ありがとう、というスタンプが送られてきた。
確認し、アプリを閉じようとすると、またも通知音が鳴る。

飛貴今から少しだけ、電話してもいい?

返事を待たず、着信画面に切り替わった。

『もしもし』
「何」
『いや、その…声、聴きたいなって』
いつもより低い声。
ああ…弟くんたちが、隣で寝てるからか。
「何かあった？」
『え、いや、ないよ』
焦ったような声色になる。
「隠さないで言って」
『……Aには適わないなぁ』

沈黙の後、飛貴が言った。
『Aは、俺のこと、嫌い…？』
途切れ途切れに聞こえた声は、少し震えていた。
そこまで、不安にさせてたのか…。
「嫌いじゃないよ」
『そっか…』

「その……仲間として、友だちとして、好きだから」
飛貴の反応を聞こうとするが、全く音が聞こえない。
恥ずかしくなって、
「も、切るからね？おやすみ」
通話を終了した。

飛貴があんなこと言い出すから、絶対言わないようなこと言っちゃったじゃん。
ベッドに倒れ込むと、無理矢理目を閉じた。

Side of Hidaka

『仲間として、友だちとして、好きだから』
その言葉に、通話を切ろうとしていた手が止まる。
だって、予想外の言葉だったから…。
『も、切るからね？おやすみ』
切れる音がして、画面がトークに戻る。

ドキドキが止まらなくて、顔が熱くなって…
″好き″の意味が違うのはわかっているけど、どうすることもできない。
だって、絶対聞けないと思ってた言葉が、聞けちゃったんだもん。

目を閉じても、しばらく眠れなくて。
明日は寝不足で怒られちゃうかも…。
でもでも、Aが悪いんだからね！