最愛シンメトリー【U.Hidaka】 (ページ13)

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好きなところページ13

「A、だーいすき」
語尾にハートを付けて、本日も浮所飛貴はうるさい。

「あー、はいはい。優斗くーん」
「どうしたの？」
「や、特に何も」
用事はないけど、近くにいた優斗くんを呼んだ。

「A、好き」
HiHiお兄さんの輪に入ってお話していると、後ろから抱きついてきた飛貴が言う。
「ねー、邪魔なんだけど」
「やだ」
私の肩に頭を擦り付ける。
「あ、マーキングだ」
「瑞稀うるさい」
私、飛貴のものじゃないから。

「浮所って、なんでAが好きなの？」
「え、本人がいる前で聞く？」
「Aも知りたいかなって」
猪狩くんの一言で、飛貴に火を点けてしまったようだ。

「まず、可愛い。それから、優しい。あと、美人で努力家で、頭よくてしっかり者で、でも家事が少し苦手な所がまた可愛くて…」
「もういいから」
恥ずかしいし、皆からの視線が痛いし……何より、そんな所まで見てる飛貴にちょっと引いてる。
「好きだよ」
「A、顔」
涼くんが笑うくらい、私の顔は引きつっているのだろう。
「そこまで嫌がらなくても…」
しゅんとして俯く飛貴。やっと大人しくなった。

「よし、練習するよ」
「おい、これどうにかしろ」
お前のせいだろ、と言う瑞稀を見ると、
飛貴が抱きついている。
「知らない」

「なんでこんなのがいいんだろね…」
「なぁくん？聞こえてるからね？」
地獄耳なんで、なぁくんが呟いた言葉も全て聞き取れる。
「だって、こんな意地悪で家事ができない女の子なんて、普通興味ないでしょ」
「ちょっと藤井くん！Aちゃんの悪口言わないで!!」
飛んできた飛貴が、また私に抱きつく。
「ツンデレな所も可愛いし、家事は俺がするからいいの！」
「わ、プロポーズ!?」
HiHiお兄さんの冷やかしに、B少年も調子に乗る。
「そ、そんなんじゃないから！
もう！練習するよ！」
……ちょっと、ほんとちょっとだけときめいた数分前の自分を殴りたい。

まだいろいろ言ってるB少年に、
「早く準備して」
リーダーらしく言った。

─────
その後のHiHiお兄さん
高橋「意地悪をツンデレって捉えてる浮所強すぎ…」
橋本「それな」
井上「Aって家事できないんだ…」
猪狩「なんか、浮所が可哀想」
作間「愛だね、愛」