【となりの坂田】イケナイコト/しろ鮎 ページ25
「じゃーん!見てー!!」
自室のクローゼットを開けて、ニコニコする坂田さん。
と、それに対して、引き気味の私。
「な…なんですか、コレ」
事の発端は、先ほどの会話。
今日は坂田さんちに遊びに来て、いわゆるお家デートをしていた。
一緒にゲームして、休憩中に、ゲームキャラの衣装の話になり。
このキャラのあの時の衣装が良いとか、あれは流石に際どすぎるとか、下らない話。
…と思ってたんだけど。
坂田さんがキラキラした目でこちらを見ている。
「なあ…Aも着てみん?」
「何をですか?」
「あのキャラの衣装!」
「………は?」
その後はあれよあれよという間に寝室まで連れて行かれ、坂田さんが寝室のクローゼットを開けて、冒頭の言葉、というわけだ。
「じゃーん」という台詞がホントに相応しいくらい、ずらーっと並んだ、服。
生地はサテン生地みたいなのが多くて、テカテカで、キラキラで、フリフリで。
要は、いわゆるコスプレ衣装たちである。
「な…なんでこんなに持ってるんですか⁉」
「えーとね…ライブのVTRで使ったやつとかを、貰った」
「貰った⁉何のために⁉」
「それは…もちろん、着る為?」
「え…」
坂田さんが、ライブ中VTRとかでよく女装しているのは見たことがある。VTR中まんざらでもなさそうだから、そういうの好きなのかなあ、とは思ってたけど、その衣装を買い取って家に置いてるとまでは思わなかった…。
「坂田さん、そんなにコスプレ好きだったんですね…どうぞ着てください」
「まあ、着てもええけど…Aもちゃんと着るんやで?」
「え?だってここにあるのは男性用じゃないんですか?」
「んーん、女性用もあるよー」
…何に使うつもりで買ったのか、は、怖いから今は聞かないでおこう…。
しかも自分が着るのも嫌がりもしないんですねそうですか。
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