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そして、なんだかんだで着させられた、ザ・コスプレ、ナース服。ゲームキャラどこいった。
胸元空きすぎ(いや、私の胸が足りないのか?)。スカート短すぎだっての。思わず裾を引っ張って長くならないか試してみる(もちろんダメだった)。
坂田さんまで着てるよナース服。
いつの間にかウィッグにメイクまで軽くしちゃって、ノリノリですね。
こっちにカメラ向けてスマホ構えるのやめてほしい。
「『あーさーくーらー!』」
「…坂田さんソレ私よく知らないです」
「そっか…それにしても、A可愛えなー!」
「いや…坂田さんの方が…可愛すぎますよ…」
元々中性的な顔立ちにウィッグにメイクだから、似合いすぎるくらい似合ってる。
姿見の前でニコニコする坂田さんの隣に並ばされて、恥ずかしいったら。やっぱりスカートの裾が気になるので引っ張り続ける。
それをちらりと見下ろしていた坂田さんが言った。
「んふ、A、裾が気になって引っ張るのはええけど、そうするとこっちが見えてまうよ」
その言葉と共に、するり、と撫でられた胸元。下着の上端、レース部分が見えていた。
「っひゃあ⁉」
急に触られたから変な声が出てしまい、思わず坂田さんから一歩離れて、胸元を押さえる。
「もー、先輩ナースとしてアドバイスしただけやのに〜」
恥ずかしがり屋さん、とクスクス笑う坂田さんは、可愛らしくてでも少し色気もあって、私の心臓はうるさいままだ。
「あ、Aの帽子とれそう」
「え、あ、ホントに?」
私の頭の上に載ってる帽子、小さいから自分では分からないし、直してくれるんだろう、と、そのまま坂田さんが寄って来るのを待った。
私の肩に手が置かれた、と思ったら、
「なーんて、ね」
イタズラが成功したような顔が近づいてきて、薄くリップの塗られた唇が、私のそれと重なった。
「っ!!」
ちゅ、と音を立てて離れる唇。
「ふふ、隙だらけのナースさんやなあ、A」
吐息を含んだその台詞に、さらに心臓がうるさく音を立てる。
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