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「ゾムさん」
「はいはい」
今まで集めてきた資料をかき集める。彼女の周りの男性は全員把握した。その上で最近関わりがあった者をリストアップし少しでも可能性のありそうな人には探りを入れた。しかし、肝心なAさんの想い人は見つけられない。ダンっと机の上に投げ出した手がビリビリと痛んだ。
「くそっ」
「…………実は恋なんてしてないんじゃねぇの？」
「女性が恋も無しにあんなに身なりに気を配るようになるはずないでしょう！」
ゾムさんはため息をつくと資料へと視線を戻した。締め切られた校長室に紙を捲る音とコーヒーの匂いが飽和する。
もう随分と前から変な虫がつかないように根回ししていたというのに。男性教員と二人きりになるような仕事は無くし、二人きりの会話には積極的に参与した。口説き癖のあるウツくんには少しばかりお話をして彼女に手を出させないようにした。
「校長」
「…………なんですか」
「痛くないのか？それ」
それ、とゾムさんが指さす先を見れば握り過ぎて真っ白になった自分の手。ゆっくりと力を抜けば手のひらに爪の後がくっきり残っている。こんな風になるまで気が付かなかったなんて、自分も大概追い詰められているらしい。吐き出した二酸化炭素は重たく机の下に落ちた。
「こうなったら……作戦変更です」
「具体的には？」
「Aさんを口説き落とします」
ゾムさんが視界の端で興味なさげに伸びをした。集める資料を彼女の交友関係から彼女の趣味嗜好に変更。今日中には終わらない作業の予感に、不健康そうな液体を飲み下した。
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野菜(プロフ) - 冬のみかんさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！これからも「好き」と言っていただけるようなものをお届けできるよう2人で頑張りますね！ (2022年1月28日 9時) (
レス) id: 27822127af (このIDを非表示/違反報告)
冬のみかん - 初コメ失礼します。いつも見させていただいています！本当に好きです！これから続編の方でも頑張ってください！応援させていただきます！ (2022年1月28日 3時) (レス) @page2 id: b5169bd6bc (このIDを非表示/違反報告)
青条(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます！イラスト素敵ですよね！お話読んでくださってありがとうございます。頑張って制作して参りますので気長にお待ちください……！ (2021年10月29日 21時) (レス) id: 3b14859680 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - ぇイラストかっこよ。お話だけでも最高なのに!これからも作者様のペースで頑張ってください! (2021年10月29日 19時) (レス) id: 00420758bc (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - ラグさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 5520a4b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
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