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「あの、やっぱりさっきから何か怒ってませんか？」
無事にくられ先生とポカーさんを発見して一件落着し、エーミールさんと二人で帰り道を歩いている間に彼はそう尋ねてきた。ちなみにゾムがいないのは現地から真っ直ぐ帰宅するという旨の連絡をよこしてきたから。相変わらずマイペースな人だ。
「本当に何でもありませんから」
本当は認めたくない、矮小な嫉妬心。それを表に出したら呆れられるに決まっている。
それでもこれ以上エーミールさんの心配そうな顔は見たくなかった。そう思い私はやや重たかった口を開く。
「その、エーミールさんが他の女性からの貰い物を美味しそうに頂いてたので、少し妬いたというか…、っ、すみません。こんなくだらない事で…」
後半はエーミールさんから視線を逸らして若干下を向きながら喋った。きっと彼は器の小さな私に失望してしまうだろうから。その時の顔は見たくなかった。
そう思っていると、エーミールさんの上品な笑い声が聞こえた。何故笑い出したのか理解できず、思わず再び彼に視線を戻してしまう。
「ふふっ…」
「何がおかしいんですか…？」
すると突然、ポンと私の頭にエーミールさんの手が乗せられた。そのまま頭を撫でられ、子供扱いされてるようで少しムッとなってしまう。
「ちょっと、揶揄わないでください…！」
「すみません。妬いているAさんが可愛らしくてつい…」
エーミールさんは一度私の頭から手を離し、私の手を取って指と指を絡めてきた。あまりにも予想外の行動に胸の鼓動が一気に高まる。
「そんなに不安がらないで。私は貴女以外に目移りする気など微塵もありませんから」
さあ帰りましょうか、とエーミールさんは再び歩き始める。今こうして彼の温もりを感じることができるのがとても嬉しい。且つ、家に着いたらこの手を離さなければならないことが少し悲しく思えてしまい、私はわざと普段よりゆっくりと歩いた。それに気がついたのか、彼も私に歩幅を合わせてくれた。
エーミールさんもまた、私と同じ気持ちでいてくれるのだろうか。
そんな疑念は彼の手の力が僅かに強くなったことによってすぐに消え去っていった。
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野菜(プロフ) - 冬のみかんさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます！これからも「好き」と言っていただけるようなものをお届けできるよう2人で頑張りますね！ (2022年1月28日 9時) (
レス) id: 27822127af (このIDを非表示/違反報告)
冬のみかん - 初コメ失礼します。いつも見させていただいています！本当に好きです！これから続編の方でも頑張ってください！応援させていただきます！ (2022年1月28日 3時) (レス) @page2 id: b5169bd6bc (このIDを非表示/違反報告)
青条(プロフ) - 奏さん» コメントありがとうございます！イラスト素敵ですよね！お話読んでくださってありがとうございます。頑張って制作して参りますので気長にお待ちください……！ (2021年10月29日 21時) (レス) id: 3b14859680 (このIDを非表示/違反報告)
奏 - ぇイラストかっこよ。お話だけでも最高なのに!これからも作者様のペースで頑張ってください! (2021年10月29日 19時) (レス) id: 00420758bc (このIDを非表示/違反報告)
野菜(プロフ) - ラグさん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2021年10月9日 19時) (レス) id: 5520a4b1a9 (このIDを非表示/違反報告)
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