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「ブルーアゲートに似てると思ったんだよね、悠一君の瞳。きれいな青色してるでしょう」
「ああ……」
そういえばと迅は思い出した。自分の目の色を、ではなく、前にAが自分の目を「きれいだ」と評したことを。薄気味悪いこの目をきれいだと言うその感覚が、迅には新鮮に思えたのだ。
ブルーアゲート。それがなんなのか、迅はその字から見当すらつけられなかったが、それを見越してかAが携帯端末で写真を提示する。
それは、深い、鮮やかな青色の石だった。確かにきれいだと思った迅は、しかし同時に否定もする。この石はきれいだけど、おれの目はこんな色じゃない。もう少し深みのない色だよ。
「アゲートは
「そりゃ未来が視えるからね。大抵のことには動揺しないよ」
「うん、君はそれでいい。君が冷静でいるだけで助かる人がいる」
Aはうすく笑んで迅の頭を撫でた。まるで何かを案じるように。
その後Aの顔からは一瞬感情が抜け落ちたかのように見えた。迅が目を疑ったその瞬間、Aはぱっと明るい笑みを咲かせる。
「これ買ったら悠一君、着てくれるかな。絶対に似合うから」
「え、いいよ。おれいらない。着ません！」
「遠慮はしてたら損するぞ。もらえるモンはもらっとけってね」
「遠慮じゃねーって、あっちょっと！」
迅の猛烈な反対を押し切り、Aは強引にレジまでジャケットを持って行った。迅の抗議を聞いているのかいないのか、涼しい顔で会計を終えたAは包みを迅に押しつける。Aの頑固さはわかっていたが、ここまでとは。迅は当惑した。
迅は、本部に戻って小南に会う未来を視た。迅の持つ包みの中身を見てべそをかき怒っている。その後Aと指切りをしているので、「あたしにもなんか買って！」とAに約束させたのだろう。その態度が迅は許せないのだが、今回は先にものを買わせている以上何も言えていなかった。
買った物はしょうがない。ここまでされて返品するのも失礼だし、今日のところはもらっておいて、もう二度とこんなことがないように気をつけよう……と迅が包みを抱え直すのを、Aは幸せそうに見ていた。
「大きめだから高校までは使えるんじゃないかな。いや、でも悠一君は身長伸びそうだねぇ……わたしはすぐに抜かされそうだ……そのとき、……」
そのとき、迅はAが死ぬ未来を視た。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
