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さらに小南は重ねる。
迅ばかり構ってもらっている。自分は会うのも数日に一度なのに、会えたと思ったらAは迅とばかり話している。自分の方が強いのに、いつも褒められるのは迅の方だ。いつも目をかけられているくせに、それにも気づかないで邪魔ばかりするのはやめてくれ。
迅は小南がそのように感じているとは考えてもいなかったので、少なからず驚いた。似たような感情を自分も小南に抱いていたというのに、自分がそれを向けられるとは……。しかし迅だって黙っているわけにはいかなかった。迅は小南に言う。
「Aさんはおれといるとき、いつも小南の話ばっかりしてるんだ」
「それは当然よ！ あたしといるときだって迅の名前がいーっぱい出てくるんだから」
「Aさんは小南のワガママには何にでも付き合うだろ」
「知らない。アンタもお願いすればいいでしょ」
迅の言い分を撥ねつける小南に、迅はだんだん腹が立ってきた。言い返そうとしたが、その言葉は飲み込まされた。
「……あたしは、Aさんとずっと一緒にいたのに……」
小南はほとんど泣きかけであった。強く唇を噛み、涙が零れようとするのを堪えているのだ。手もぎゅっと強く握りしめられ、ふるふると震えている。
周囲の人々が迅と小南をじろじろと見ながら歩いていくので、迅は小南の腕とカートを持ってお菓子コーナーに寄り、止まる。小南はぐすぐす泣きながらも何も言わなかった。
「小南、……」
「ぐすっ……何、よ」
「Aさんは、小南のことが大好きだよ」
これが、迅にできる精いっぱいの慰めだった。この状況下では視える未来が当てにならないので、迅が必死に考えたやり方だった。迅は、
小南はきょとんとして迅を見た。そして、「何よそれ」と少し笑うと、迅をぽかりと一発殴る。
「知ってるわよそんなこと〜〜っ！ あんたナメてんじゃないでしょうねえええ」
「な、ナメてないって！ 小南！」
「キーーッ！ ほんっとムカつくわアンタ！ 本部戻ったらズッタズタにしてやるー！！」
小南ががくがくと迅を揺らす。言っていることはさっきと大して変わらないのだが、小南の声色がさっきと違うことに迅は気がついた。だから多少の暴力は許してや……ちょっと待ったもう無理ギブギブ。死にます。
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ノア(プロフ) - Noahさん» あいしてます (2021年9月21日 17時) (
レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 金の帳さん» ありがとうございます。迅さんカッコいいですよね！ 続編もよろしくお願いします。 (2021年9月21日 17時) (レス) id: dd57ce1718 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - すきです (2021年3月20日 2時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
金の帳 - めっちゃおもしろいです！迅さんはやっぱりかっこいいですね！更新楽しみにしてます！ (2021年2月8日 23時) (レス) id: 1e8abd378d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2021年2月7日 10時
