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白の刀 4 ページ13

目を覚ますとリビングのソファで寝かされていたことに気づいた。




ゆっくりと体を起こし辺りを確認すると、見慣れぬ白い影が1つ増えていた。


少し離れた所、皆に囲まれるように存在する小さな影。




寝起きでぼーっとする頭でふらふらとそちらに歩み寄る。


眠い目を擦ると目の下がヒリヒリと痛んだ。





「!!A目ェ覚めたん!?」


ゾムがピョンと飛びついてくる。
その衝撃を支えきれず少しよろめく。




「ちょっとゾムさん、Aフラフラじゃないっすか。離れてあげてください。」


ショッピくんがこちらを気にかけ声を掛ける。



しかしゾムはそんな声など聞こえないと、私に質問を投げかける。




「A大丈夫なん?ひとらんに何もされとらんよな?怪我は無い?」



「大丈夫。怪我もしてないよ。
トントンとシャオくんが守ってくれたから。」


まだ眠たいためふにゃふにゃと笑いながら答えると



「その顔めっちゃかわいいんやけど、トントンとかシャオロンに手柄取られたって考えると嫌やなぁ…」


と呟いたのが聞こえた。






かわいい…かわいい?かわいいってなんだっけ…?少なくとも私に対して使うような言葉ではなかったはず…

と宇宙猫顔をしていると、白い影が私の近くに寄ってきたのを感じた。



そちらに視線を向けると、あの時トントンを切りつけ私に殺気を向けてきたあの男性と同じ顔がそこにあった。


マスクも、服も、帽子から僅かに覗く黒髪も、彼がひとらんらんさんであることを主張している。



「ぁ…」


思わず体が強ばる。

いくら推しとはいえあのような事態に陥った後で無防備に振る舞えるほど私は馬鹿じゃない。




「その…」


黒ではなく白い海軍服を身にまとった彼がマスクの下で口を開いた。



眠気が一気に覚める。

震えそうになる身体を抑え、はいと返す。




ゾムがさり気なく手を握っていてくれて、手から伝わる温もりに安心する。



私も、目の前の彼も、ゆっくりと深呼吸をする。



彼の瞳を見た。
帽子やマスクに隠れてよく見えていなかったが、じっと見据えると綺麗なオニキスの瞳を持っていることに気づいた。

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ウラシル@ひぃ(プロフ) - アルテアさん» コメントありがとうございます。喜んで頂けたようで何よりです。アルテアさんの満足いく姿になっていれば良いのですが。 (2019年6月22日 21時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
アルテア(プロフ) - ついにひとらんらんさんが!やったー!ありがとうございます! (2019年6月16日 14時) (レス) id: c628398586 (このIDを非表示/違反報告)
ウラシル@ひぃ(プロフ) - 倉の中の石さん» コメントありがとうございます。はい!頑張りますね! (2019年6月1日 20時) (レス) id: a76b54135a (このIDを非表示/違反報告)
倉の中の石 - すごく面白いです!更新頑張ってください!! (2019年5月28日 4時) (レス) id: 873805d7e2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ウラシル@ひぃ | 作成日時:2019年5月26日 21時

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