俺もそんなに説明は上手くないんだが？ ページ8
｢エペル君、君はそんな事も自分で考えられないの？顔だけじゃなく頭の方も可愛いのかな？｣
｢…ぇ？｣
｢ぇ、ちょっと先輩？いきなりどうしたんですか？｣
俺の脈略の無い言葉にエペル君は固まった。
デュース君は慌てて俺を止めた。
顔を顰めている俺に怒っていると思ったのだろう。
面白くて笑ってしまったじゃないか。
二人はそれにまた驚いていた。
｢今の言葉にどう感じた？｣
｢えっ…怒らせてしまったのかなって…驚きました｣
｢デュース君は？｣
｢俺も…驚きましたし、ちょっとビビりました｣
｢それは言葉？それとも表情？｣
｢言葉、と話し方？｣
｢俺は…表情、ですね｣
｢うん、多分君達は何時もの調子で俺が言ったら驚かなかったと思うんだよね｣
｢そうですね、多分笑って流します｣
｢それもどうかと思うけど…つまり、伝えるにはただ言うだけじゃ駄目って事はわかったよね？｣
｢言葉と話し方…あと表情｣
｢歌も同じ、って事ですか？｣
｢そうでーす｣
ジャミル君はわかった？と顔を向ければ、真顔で頷かれた。
それは伝わらないやつですよ。
｢例えばサビの部分…俺は、自分は強いだけじゃなくてそれにプラスしてアナタを負かす物を持っている、アナタはただひれ伏す為にそのか弱い力をせいぜい振り絞りない、っていう風に捉えた｣
｢だから笑ったんだな｣
｢そう、そこで見てろよって挑発的に観客に笑う感じ…俺の顔じゃアレだけどヴィル先輩がしたら最高に格好良い、とも思った｣
｢…なるほどな｣
ジャミル君は納得したように頷くと、考え込んだ。
自分ならどうだろう？って考えてるのかもしれない。
｢歌詞を覚えるだけじゃ駄目、意味を自分で考えて自分の物として表現しないと聴いてる人には伝わらない｣
｢歌詞を自分のものに…｣
｢たくさんの参加者がいるステージでは自分の歌を聴く気の人だけじゃない、そういう連中に聴かせる為にはただ歌うだけじゃ聴いてくれない、振り向かせる工夫が必要なのよ｣
｢凄い説得力があります｣
｢経験者は語る、だよ…ね、カリム君｣
｢軽音部も対バンしたりするからな、皆で色々考えるんだ｣
｢…カリム君だって経験してるんだから、自分で教えなよ｣
｢いやぁ…俺、説明下手だから｣
へへ、と笑うカリム君に項垂れる。
確かに擬音と根性論が八割では慣れてないと伝わらないか。
ゆっくりでいいからね、なんて笑ってみたり。→←まぁ難しいよね、と思いつつ。
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きない(プロフ) - 星猫さん» 弟さんいらっしゃるんですね^^すみません、アニメもあまり見ていないので最近のものはわからないです。 (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 34ae6966a1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 弟のｐｃは貸してくれました。知ってるアニメは何ですか？ (2021年2月25日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きない | 作成日時：2021年2月4日 9時
