百八十六歩 ページ18
｢あ、コバンザメくんとウニちゃんだ〜｣
｢え？あ、本当だ｣
｢何やってんスか、あんた達｣
｢聞かないで、ウニちゃん｣
｢ジャックッス｣
知っとるわ。
昼休みになって教室から出た瞬間にフロイド君に捕まった俺は、彼の肩に担がれてぐったりとしていた。
ジェイド君は植物園に、アズール君は購買に用事があるとかで俺の所に来そうで…どっちかについてけば良かったじゃんよ。
そう言った俺を肩に担いで笑うウツボ…くそ、可愛い。
最近の皆は俺のこの可哀想な姿に慣れている気がする、ザワつく事もなく道開けるもんな。
声をかけて来る方が珍しいもんだ。
｢ラギー君、レオナ先輩は？｣
｢温室ッスよ｣
｢あぁ、これから行くんだ…ジャック君も行くの？｣
｢ッス｣
｢仲良いねぇ｣
｢君達には負けるッスよ｣
皮肉たっぷりに言って、ラギー君はジャック君を連れて行ってしまった。
｢ナマコちゃん俺達も温室行こ？｣
｢は？何で？｣
｢ジェイド居るし｣
飯持ってってやろーとスキップするように食堂へ向かうフロイド君、待って腹に肩が食い込むんです、けどっ！
若干食欲無くなったよね…
辛うじて袋落とさなかった俺を誰か褒めて。
三人分を優に超えるパンの量よ…よく掴んでられたわ俺マジで。
｢おやおや…Aさん、生きてます？｣
｢…褒めて、ジェイド君｣
｢生きてて偉いですね｣
｢…もうそれでいいや、有難う｣
温室に入る前にジェイド君は見つかった。
作業は終わったようで、食堂に向かおうと思っていたらしい。
｢先にレオナさんがいらっしゃったので、お邪魔になるかなと思いまして作業を急いだんですよ｣
｢えー別に気にしなくてよくね？｣
｢俺は気になるかな、つか怖いから中に入りたくない｣
｢ナマコちゃん泣いちゃう？｣
｢泣いちゃう泣いちゃう、だからやめよ？｣
｢あはっ面白そうだから行こ！｣
鬼畜の所業過ぎる。
つか何時になったら下ろしてもらえるんだ。
パンの入った袋はジェイド君が…おい、何で口もぐもぐしてんだ？食ったな？あ？
｢お腹空いてしまって｣
｢カレーパンは俺のだから｣
｢…あ、すみません｣
｢マジか｣
｢嘘です｣
ふふ、って可愛こぶんな可愛いなくそ。
そもそも激辛カレーパンだからジェイド君は食ったらキレると思う。
｢あ、マジで居んじゃん｣
｢あれ、来たんスか？｣
｢ジェイドいたから｣
温室に入れば何時もの日当たりのいい特等席にレオナ先輩が寝そべっていて、その傍でラギー君とジャック君が座って飯を食っていた。
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きない(プロフ) - 星猫さん» 弟さんいらっしゃるんですね^^すみません、アニメもあまり見ていないので最近のものはわからないです。 (2021年2月26日 9時) (
レス) id: 34ae6966a1 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 弟のｐｃは貸してくれました。知ってるアニメは何ですか？ (2021年2月25日 12時) (レス) id: 7d3fe1e696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きない | 作成日時：2021年2月4日 9時
