イナズマイレブン～脅威の侵略者編～第7巻 (ページ28)

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『おれ、が、この子にさわった、ら……ゆび、きれたぁあっ……』

『……！』

指の傷口を見た少女があたしをキッと睨みつける。

あたしだって何が起こったのか全然わかんねーし。

『ヒロトにケガさせたのって……あんた？』

聖羅「知らねーよ。そいつが勝手にケガしたんだろ」

『ヒロトがなにしたっていうんだよ！あやまれよ、おまえ！』

『そーだそーだ！』

口々に忌む声が、溢れ出す。

言葉はあたしに絡まり、刺さり、もがけばもがくほど食い込んでいく。

地上の人間は、ガキまで相手を見下して、勝手に決めつけて……そして、腐ってんのか。

──── 壊せ ────

聖羅「…………」

──── 壊せ ────

聖羅「……？」

──── お前を否定するなら ────

──── お前を、拒絶するなら ────

……そうだ。

逆らう人間、は……

みんな……

──── 傷付けて ────

聖羅「逆らえなくして」

──── 差し出す手を振り払って ────

聖羅「全て」

──── 従わせれば ────

聖羅「殺せば」

──── あるいは、切り捨てれば ────

聖羅「あるい、は……」

──── お前の邪魔をする人間は ────

『……壊してやる』

……色あせた全てが、脆いガラスのように砕け散る。

何もない、何も見えない……ただただ、暗黒の世界が広がっていた。

最初から、何も感じない。

あたしにはこれが普通なんだ。

"痛み"も、

"苦しみ"も、

"感情"も、

何もかも、不要だ。

あたしの……、あたしだけの、世界。

……あぁ、そうだ。あたしは……。

──── あたしは ────

……。

…………

………………

……あたしは…………

……。

肌に触れてきた許さない相手にだけ、熱した刃物を握ってしまったような傷跡ができる。

リクや夜日名たちには、黒いアザがあるから触れても平気なだけだ。

仮になかった場合、他のクズ人間たちと同じ目に遭う。

だから、アザのある人間にしか触れることを許さない。

『破壊と、死を』