イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ6)

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（５４）内容の意味ページ6

染岡「今日のメインイベントはこれ！相手のスゴ技を受ける特訓だ！」

グラウンドでまともに練習のできない今、鉄塔広場でわけのわからない特訓をしていた。

木に吊るされたタイヤを、染岡は大きく揺らした。

タイヤのサイズからしてダンプカーのものであろうそれには、丸めたマットも入っているため重さが増している。

宍戸「えっ、俺！？いきなりムリィィィイッッ！」

聖悟「うわ、なにアレ」

額に手を当てて目元に影を作りながら、飛んでゆく宍戸を見ていた。

円堂「いいねぇ！特訓だねぇ！」

聖悟「あの場から逃げてきたヤツが、なに言ってんの」

豪炎寺「円堂、天空。ちょっといいか？さっきの秘伝書のことなんだが…」

円堂「ん？おぉ」

豪炎寺「あれって、こういうことじゃないかな。
まず1人が跳ぶ。もう1人がそいつを踏み台にして、さらに高さを稼ぐ。充分な高さへ達したところで、オーバーヘッドキック。……どうだ？」

円堂「豪炎寺……！そうだよ、きっとその通りだよ！スゴいなお前！そんな不安定な足場からオーバーヘッドキックが出せるのは……豪炎寺！お前しかいない！」

豪炎寺「俺が？」

円堂「うん！そして、お前の踏み台になれるヤツは……」

円堂がそこで話を止めると、みんなと比べて一番吹っ飛んだ壁山を見た。

円堂「壁山か……よォし！」

＊

壁山「なんスか、この特訓は？」

さっき使ったタイヤの3つを、壁山の体にロープで結びつけた。

春奈「壁山くんは、一段目なの。一段目が高く跳ばなきゃ、二段目は空高く昇れない、でしょ？だからジャンプ力を付けるのよ」

壁山「でもこれじゃ、跳べないッスよ？」

聖悟「要はそれを外した後、軽く且つ高く飛べるように体を慣らしておくってことだろ」

円堂「そういう事！いいからやってみろよ、壁山。オレも、ジャンプ力は身に付けないといけないんだ」

聖悟「(こいつの場合、身に付けるのはジャンプ力じゃなくって瞬発力だろ。どっちかっつーと)」

そう思いつつ、聖悟は今日もまた、お気に入りのヘッドフォンを頭につけて、音楽の再生ボタンを押すのだった。