イナズマイレブン～FF編～第2巻 (ページ4)

今日:23 hit、昨日:3 hit、合計:33,138 hit

（５２）その間…… ページ4

聖悟「……結局行くワケ」

円堂「ああ！天空も来るか？」

聖悟「行かねー」

豪炎寺「俺も同感だ」

円堂「わかった。じゃあ、2人と音無と木野は部室待機な」

秋「うん、いってらっしゃーい」

円堂たちは、そろいに揃って校内の理事長室に向かった。

どうやら雷雷軒の亭主の話によると、秘伝書は理事長室の金庫の中に保管されているそうだ。

春奈「あの、天空センパイに用があるってお客さんが……」

新聞部でデータ収集していたはずの春奈が、部室に顔を出してきた。

聖悟「……客って誰」

春奈「はい……。ど、どうぞ」

春奈が連れてきたのは、大学生くらいの背の高い男性だった。

聖悟「……夜日名(ヤヒナ)。なんでここにいんの」

どうやら、また聖悟の知り合いのようだ。

豪炎寺「天空。この人は？」

聖悟「こいつは夜日名(ヤヒナ) 薫(カオル)。一応、専属執事だ」

秋「執事？！天空くんって御曹司だったんだ！」

聖悟「……それより、なんの用。
まだ大学の講義終わる時間じゃねーだろ」

夜日名「はい。実は、奥様が貴方の食生活に対して、あまりにも偏りがあるとおっしゃっていたので、差し入れをお持ちいたしました」

聖悟「は？」

夜日名「ささやかでございますが、わたくしお手製のサンドイッチでございます。部活が終わった時にでも召し上がってください」

聖悟「いや、いいし別に……」

夜日名「ああ、ご安心ください。野菜だけで余計な物は挟んでおりません故。
では、わたくしはこれで失礼いたします。文芸部の続きに戻らねばなりませんので」

夜日名は弁当箱を聖悟に押し付けて、そそくさと部室を去っていった。

聖悟「……ま、くれるんだったらそのまま貰っていいか」

安々と受け入れた聖悟は、机に腰掛けて弁当箱を開けた。綺麗にラップで包まれたサンドイッチが中で並んでいる。

聖悟「…………」

無言の咀嚼。

聖悟の顔は、美味しいのか否か第3者から見て判断しづらい表情をしていた。

もそもそと、なにも言わずに食べ進めるあたり、恐らく不味いという事は無いだろう。