じゅうよん ページ15
ふと、気が遠くなった。
ついに成仏か、とか思ったけど。
「…?」
目を開ければ、目に映るものは病室と、眩しく病室を照らす太陽で。
あれれ、私生きてたの。あちゃー、凛月さんに嘘ついちゃったって事?
なんだか、申し訳ない…とは思うけど。生きてて良かった。
「あ、あー…声も出る…けど。」
安心して、涙が出てくる。声、かなりガラガラでカッスカスだけど。生きてるんだ、ちゃんと。
声ガラガラだし足動かないし最悪だけど。ただ、生きてるだけで十分だよね。
凛月さんに、今すぐにでも伝えたい…とは思う。
出会ったのきっかけは、事故を起こした自動車を運転していた人に対しての怨念から…とか、ただ単に神さまの気まぐれ、だとかかもしれないけど。
ただ、生死をさまよっていたのは分かるよ。
いきなりそんな状態から生身の体に戻っても、連絡先もしらないし、私の状況も知らないだろう。
「…あら、起きたのね。」
そんなことを考えていると、ガラガラ…と扉をあけて入ってくるは私の母親。
固まらないように、毎日体を動かしてくれたり、毎日お世話をしてくれてたみたい。
それなら自宅に連れて帰れば良かったのに、って思うけどスペースとるからかな。
私が起きると信じていたのだろうか。驚くことも無く、いつもの様に接してくれている。
「あなた、彼氏作るまで死ねない〜が口癖だったじゃない?だからね。」
「んー、そうだっけ?あんま覚えてないや」
覚えてる、覚えてるよ。恥ずかしいじゃんか、今、冷静に思えば。
62人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もっち | 作成日時:2022年7月2日 0時