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その4 ページ10

「...何の用だ」


Aの部屋を出た足で、そのままシンスケの部屋に向かうと、開口一番に冒頭の言葉を吐かれた。



「ひどいなァ、折角来てやったのに」

「別に頼んでねーよ」



わかったら出ていけ。またしても冷たく返すシンスケ。その様子に溜息をつきながら、椅子に腰掛けた。



「ーーそれにしても意外だな」



そう言って切り出すと、シンスケは何が言いたい?と言いたげに片眉を吊り上げる。



「興味なさそうにしてる割に、シンスケはあのAって女に随分と肩入れしてるみたいだね」

「...何くだらねーこと言ってやがる」

「本当は今の仕事だって任せたくないんだろ。だから彼女に話して無いんだ?」



そう言うと不意に図星を突かれたのか、シンスケが僅かに目を見開く。しかしすぐに「そんなんじゃねーよ。単にアレに任せられる器じゃねーからだ」と返した。



「本人にはその事伝わってなさそうだけど?」

「...関係ねーだろ」



頑なに認めようとしないシンスケに痺れを切らし、思わずため息をつく。...仕方ない。



「さっきAの部屋に行ってきたんだけど。...彼女、相当荒れてるみたいだったよ。何が原因か俺には検討もつかないけど」



そう言って肩を竦めると、晋助は何か考えこむように眉間の皺を深くする。
そんな晋助に続けて俺は、「あのままの状態なら、いつか近いうちに彼女は死ぬだろうね」と言った。


 彼女の実力を見たことはないが、鬼兵隊の幹部と仕事をこなす程だ、相当な実力はあるのだろう。
しかし、彼女の今の精神状態ではそれも無意味であるが。



「...まあ、彼女がどうなろうが俺には関係ないけどね」



 そうだ。俺には全て、関係ないこと。
この件に加担したのも、面白いものが見れそうだったからだ。...今もそう。



「言っとくけど、始めに手放したのはシンスケの方だよ」



ただ単に面白そうだったから。それだけだ。だから俺は、こんな風にシンスケを焚きつけているのだ。




「なのに自分だけを想って欲しいだなんて。もしかしたら相当独占欲が強かったりする?」




そう言うと、先程まで黙って俺の話を聞いていたシンスケが口を開いた。



「...てめー、何が言いてェんだ」

「...そのままの意味だよ」



そういって席をたつと、シンスケはまだ納得いかなそうな顔で俺を見ていた。



「あんまりそんな態度でいると、その内本当に嫌われちゃうかもね」

高杉さんを守りたい。その1→←その3



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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時

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