その3 ページ9
「ーーで、何がきっかけでシンスケを?」
一時はどうなるかと思ったが、意外にも神威さんは黙って私の相手をしてくれるらしい。
「...一目惚れ。一目見たときから、高杉さんの事が離れなくなって。私、この人の為なら命捨てれるなって思ったの」
「...へえ」
相槌を打ちながら、神威さんも酒を口にする。また子ちゃんは次の日に差し支えるからといって、一緒には飲んでくれない。
だからか、私もいつもよりも早いペースで飲み進めていた。
それにあわせて神威さんも次々とお酒を開けていくものだから床には既に四、五本の瓶が散乱している。
「今の仕事だって、最初は女だからって反対されたけど、絶対あの人に近づいてやる!って、死に物狂いで頑張ってきた。...でもーー」
酒をグラスに注ごうとするが、手に持っていた瓶はまた空になっている。
「それも...無駄になっちゃったんだけどね」
笑いながら瓶を床に捨てると、神威さんはグラスに入っていた酒をグイッと飲み干した。
「...もう一本行きます?」
そんな彼に新たな酒を開けようと提案するが、神威さんは頭をふり、「いや、この辺にしとくよ」と言う。
「そうですか。じゃあ私ももう寝るんで、さっさと出てって下さい」
「はいはい、随分自分勝手な女だな君は」
そう言って手をヒラヒラとふる神威さんの後ろ姿をみて、
「...あの」
思わず引き留めると、振り返った彼は不思議そうな顔をしていた。
「...今日は、その...ありがとうございました」
深々と頭を下げる私に対して彼は特に何も言わず、
「おやすみ」
ただ一言それだけで、神威さんは電気を消して出ていった。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時