その3 ページ29
「高杉さん！？」
「やあ」
悲鳴に近い声をあげる私とは対照的に、神威さんは呑気に彼に挨拶をしている。
「？テメーも居たのか」
「いや彼はただの通りすがりですゥ〜！偶然会ったものだからちょっと話をーー」
「ついでに一緒にどうかって誘われた所なんだ」
何ふざけたこと言ってんだ貴様ァ！
高杉さんに見えない様に殴ろうとしていると腕を捕まれ避けられた。
二人きりでって言ったのは私の方なのに、これじゃ高杉さんに嘘をついてるみたいじゃんかよォ！！
「そうか」
納得したように高杉さんは頷き、神威さんの突然の乱入に特に何も言わなかった。
「...はあ。じゃあ行きましょーー」
「...その事なんだが」
諦めて船を出ようとした私に、高杉さんが歯切れの悪い返事をする。まさか。
「急に取引先と会うことになってな」
嫌な予感は的中。どうやら高杉さんはそちらに向かうみたいだ。
「そ、うですか...わかりました！頑張って下さいね！いってらっしゃい！」
仕方ない、仕事だもの。高杉さんは忙しい人だし。
ショックじゃないと言えば嘘になるが、物分かりのいいふりをして、快く送り出すと、高杉さんは行ってしまった。
「あーあ、フラレちゃったね」
隣で他人事のように(実際そうだが)言う神威さんに無言で拳を叩き込むが、それもまた避けられる。
高杉さんがその場から離れた所で急にワナワナと体が震え始めた。
「急に仕事だとォ〜！？どいつだ？一体どこの馬の骨かもわからんどいつが呼び出しやがったんだ？！ぶっ殺してやるッ！！私と高杉さんのラブラブデートを邪魔する者は生かしちゃおけねェ！クソッ！クソッ！」
叫びながら神威さんに八つ当たりをすると、「だったら直接本人にそう言えばいいのに」と笑われた。
「...君のそういう素直じゃないとこ、悪い癖だと思うな」
ポン、と慰めるように頭に手を置かれる。
「っやめてよ！まるで私がかわいそーな女みたいじゃん！」
そう言って手を振り払うと、神威さんは悪びれもなさそうに「だってそうだし」と言う。その言葉に言い返せずに睨み付けていると、神威さんは呆れた顔をしていた。
「神威さん、どうせこの後暇でしょ？」
「何だよその言い方」
「奢るからちょっと付き合いなさいよ」
「可愛くない女だな」
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます！思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします！♪ (2020年2月12日 18時) (
レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、！！！ そして主様更新頑張ってくださいｯ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます！また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜！そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました！これからの展開が楽しみー！はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2019年10月30日 14時
