その4 ページ30
「それにしても意外だったな。もっと取り乱すものかと思ってたけど」
そう言うとAは口に入っていた物をごくりと飲み込み、「...そうですよ」と唇を尖らせた。
「"邪魔者"が入ってきたと思ったら、まさかのデートはナシになったし...」
あーあ、今日は散々だったなァ。
と、彼女はわざとらしく言葉を強調しながら言う。
「...正直ガッカリはしましたけど、高杉さんが忙しい事はわかってますし、それにあの人は嘘なんかつきません」
「随分と信用しているな。もしかしたら仕事って事も全部が嘘で、他の女の所に行ってたりするかもしれないだろ」
揶揄う様に笑うとまたもやAはムッとする。
「だって手も繋いだことすらないんだろ?」
「そうだけど...きっと高杉さんは大丈夫だもん!あなたの考えと一緒にしないでくれますゥ?あの人は忙しいの!そんな暇ないんだから!」
そうは言っても彼女も多少なりと不満があったようで、まるで図星ですと言わんばかりに早口で捲し立てた。
「そう思うのは勝手だけどねー」
と言いながら酒を煽る俺のとなりで彼女は「何時もにも増してむかつく!」と拳を握っていたがすぐに気を取り直し、「神威さんはどうなんですか!」と話題をすり替えた。
「...俺?」
「本当に好きな人が忙しいってわかってて、ドタキャンとかされたら!どう思うんですか!」
「どうって...別に」
「え、何とも?!」
「そうだね」
即答する俺にありえねーと言いたげな顔をするA。
「好きな人に迷惑掛けたくないから、忙しい人にどうこう言いたくないって気持ちは?それなら我慢してようって思わないんですか?」
珍しく俺に質問攻めをするAに対して、
「俺にはまずその本当に好きな人っていうのが居た事がないし、そーゆーのはわからないや」と言う。またしても彼女は先程と同じ表情を見せた。
「ま、居たとしても多分変わらないだろうね」
「それまたどうして?」
「俺はまず我慢しようって気持ちがないからさ」
そう言うとAは、何処か納得した様にああ、と呟く。
「我慢するって事は自分の感情を抑えてるって事だ。逆に聞きたいけど、どうして我慢してまで一緒に居たいと思うワケ?我慢した先に、必ずしもいい結果が残るとは言えないんだよ?」
対する彼女は面を食らったような顔をし、俺の質問に「それは...」と、口籠る。そんなAに対して「まあいいさ。考え方は人それぞれだしね」と言うと、黙りこんでしまった。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時