高杉さんとの任務。その1 ページ16
組織の頭である高杉さんの護衛ということは、失敗は許されない。
街を歩く者、全てが敵と思え。いつ何時も気を抜く事は許されない。
そういった心構えは必要である。
周りをキョロキョロと見渡しながら高杉さんの隣を歩く。
ここは江戸のなかでも治安が悪く、名もない組織の下っ端や、荒くれ供が多い。スリや暴行なんて日常茶飯事だ。
ーー「待てや」
背後から突然肩を捕まれそうになったので、反射的に振り返ると、そこには五人組の男。
「仲良くデートなんかしやがって。この野郎」
「とっとと金渡せ。そしたら痛い目みずに済むぜ」
こういった絡みは普段なら気にも止めないが、何せ今は大事な任務中だ。
「聞いてんのか?」
そう言うと若者達は高杉さんと私を取り囲んだ。
「テメーこそ誰に口聞いてんだ?生憎今の私は手加減出来そうにないが、今なら見逃してやるよ。とっとと失せな」
「おーおー姉ちゃんよォ。よくもナメたこと言ってくれるじゃねーか」
「いくら女でも容赦しねーぜ」
「...良いのか?これ以上私達に関わるっつーんならよォ〜。テメーら全員この私がぶちのめすぜ」
「は?何言ってーー」
男が言い終わる前に、拳を顔面に叩きつけると、そいつはそのまま地面に崩れ落ちた。仲間がやられたと言うことで、他の男達が襲いかかってくるが、そいつらも一撃で沈め、残るは後一人となった。
まだやるのか、と目で訴えると、一瞬だけ男が怯んだ。しかし懲りもせず拳を握り、私に向かってくる。
「テメーよくもーーぶっ!?」
隙だらけの体で勢いよく飛びかかってきた男に平手打ちをかます。
「...え?」
何が起こったかわからない、というような顔で私をみる男に、再びビンタをかました。
「テメーどこの回しモンだ、答えろ」
「は!?何言ってーーぶふぁっ」
「さっさと吐けェ!」
「ぐはっ!!」
「答えるまでやめねーぞこの野郎!!」
胸ぐらを掴み、身動きが取れない状況にし、
往復ビンタを食らわす。次第に男の顔は腫れ上り、先程の面影は無くなっていった。
「し、知りませーー」
「知らねーワケねぇだろ!!さっさと答えねーとテメーの鼓膜が破れちまうぞコラァ!」
思わず興奮して声を荒げる私とは対照的に、先程まで意気がっていた男の声が段々と小さくなっていく。そして。
「...あっ」
最終的に男はがくりと首を落とし、気絶してしまった。仕方なくそのまま投げ捨てると、高杉さんは何事もなかったかのように歩き出した。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時