高杉さんの気を引きたい。その1 ページ1
「皆！緊急事態よ！！」
慌てて皆の元へ駆け込むも、私の声はどうやら音にかき消されてしまった様で、部屋に集まっていた鬼兵隊幹部達は雑誌を読んだり、音楽を聞いたり、何やら難しそうな書物に目を通したりしていつも通りの朝を過ごしていた。
よし、聴こえなかったのならば仕方ない。
貴様らの鼓膜が破れるまで叫んでやろう。
すぅっと大きく息を吸いこんで、聞き取りやすいように「緊急事態ィィィ！！」とはっきり発声した。
漸く皆の視線が私に集まった。
それからしばらく沈黙が続いたが、私は敢えて自分から切り出さず、相手から来るのを待った。
「…で、緊急事態って？」
呆れた顔でまた子ちゃんが切り出す。
「今日ね高杉さんに132回目の告白をしたの！｣
待ってましたとばかりに反応すると、何故か彼女はやっぱり、と言いたげな顔をした。
「でも酷いんだよ！折角勇気を出して告白したのに、高杉さんってば私のことすら見ずにフツーに素通りしてったの！...って、ちゃんと聞いてるの！？」
「聞いてる聞いてるー」
「要は今日も晋助にフラれたってことでござろう？」
「しかしよくめげませんね。ある意味尊敬します」
また子ちゃん、万斉さん、武市さんの三人は、こちらに視線を向けずに素っ気ない態度だ。まるではいはい、いつものねって感じで、私の話にちっとも興味を示してない。
「何よ！相談に乗ってよ！部下の悩みを聞くことも上司の仕事じゃん！！」
「いや悪いけどその仕事には乗れないッスね。いかにも面倒事って感じで。これ以上仕事増やして欲しくないし」
「同感でござる」
必死になって訴えかけるも、またしてもサラリと流され、いくらポジティブの塊の私の心も流石に折れてしまい、机に突っ伏した。
「うわん、酷い！皆して私を苛めるんだ！唯でさえ高杉さんに冷たくされてるっていうのに！！」
と、早口で捲し立てながら拳を机に何度も叩きつけていると、「少しやり過ぎてしまったようですね」と、武市さんが万斉さんに声をかけていた。
「拙者達が悪かったでござるよ。
少し遊びすぎたでござる」
漸く音楽のリズムを取ることをやめてくれた万斉さんに、「二人ともAに甘すぎるっスよ」と、また子ちゃんが。
「もー、よかった冗談で。あのまま私の話聞いてくれなかったら、今日の夕飯に農薬を混入させてやる所だったよ！」
そう言うと幹部の皆の表情に、少しだけ緊張感が走った気がした。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます！思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします！♪ (2020年2月12日 18時) (
レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、！！！ そして主様更新頑張ってくださいｯ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます！また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜！そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました！これからの展開が楽しみー！はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2019年10月30日 14時
