その3 ページ18
ーーバンッ!
相手が発砲した瞬間、前に飛込み、銃を撃ち込む。するとその弾丸は男の眉間に命中し、声もなく倒れた。そして男が撃たれた反射で放った弾は、少し軌道を外れ、私の脇腹を掠めた。
どさり、そんな音をたて、男は倒れる。
掠れたとは言え、私の腹部からは血が溢れてくる。貫通したからか、痛みは思ったよりもなかった。
着物の袖を破り、それで縛ると、倒れた男にゆっくりと近寄ると、念の為もう一発口の中にぶちこんでやった。
取引の相手に元へ向い、心音を確認すると、微かに鼓動の音が聞こえた。応急処置を施すと、男が僅かに呻き声をあげた。
「もしもし、聞こえますか?」
聞き取りやすいようにハッキリ言うと、男はピクリと反応をする。意識が戻ってきたのか、私の腕をしっかり掴むと、仲間に連絡してくれと消えそうな声で呟いた。
彼の指示通り彼の懐を漁り、携帯を取り出す。 履歴を確認し、よく連絡を取り合っている人物に掛けると、すぐに繋がり、事の経緯を説明した。
.
「高杉さん!聞こえますか!?もう敵の気配はありません!」
先程の部屋に戻り、ノックをすると、すぐに高杉さんは出てきた。
「報告しろ」
「先程の取引の男の護衛に、裏切り者が紛れてまして、既に処分しました。男は肩を撃たれ重傷ですが、意識はあります。奴の組織の人間に連絡しました」
「そうかィ。派手にやり合った様だな」
チラリと私の腹部を見る高杉さんに「大丈夫」だと伝える。
「行きましょう」
相手の男も、すぐに仲間が駆けつける筈だ。銃声が何発も聞こえたのだ。きっとポリ公だってやってくる。その前に逃げなきゃ行けない。
「裏口から行きましょう」
「あァ」
.
ーー後日
高杉さんから改めて報告があると呼び出された。
「ーーえ?」
それはこの間の男が何とか一命をとりとめ、取引を継続する、という話だった。
「お前のお陰でアイツを死なせずに済んだ。もしあの時死んでいたら取引がおじゃんになる所だった。礼を伝えてくれとのことだ」
「じゃ、じゃあこの件はーー」
「...よくやった」
その一言で、思わず顔をあげると、高杉さんは笑っていた。
「あ、ありがとうございます!」
初の任務。
どうなることかと思っていたが、無事に終了。その後特別報酬が与えられ、その金額に眩暈がしたのはまた別のお話。
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ソラ - りおさん» コメントありがとうございます!思い付きで更新しているため、不定期になってしまい、読書の方には迷惑をかけております汗なるべく更新していきたいと思っているので、よろしくお願いします!♪ (2020年2月12日 18時) (レス) id: c2cc8b33f9 (このIDを非表示/違反報告)
りお(プロフ) - 高杉さんかっこいい…… ここからの展開が楽しみすぎます、!!! そして主様更新頑張ってくださいッ (2020年2月12日 16時) (レス) id: f7e6660386 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - きょこさん» コメントありがとうございます!また更新が遅れて申し訳ないです...。きままな更新で行きたいと思ってますので、ちょくちょく覗きに来てくださると嬉しいです♪ (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 沖田レイアさん» ありがとうございます〜!そう言って貰えると大変嬉しゅうございます♪亀更新で申し訳ないですが、最後までお付き合いくださいませ。。 (2020年2月12日 0時) (レス) id: 64cc8cd8ee (このIDを非表示/違反報告)
きょこ - 続き楽しみにしてました!これからの展開が楽しみー!はぁ…無理やり腕掴まれたい… (2020年1月28日 23時) (レス) id: 6828360e61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ソラ | 作成日時:2019年10月30日 14時