お姫様抱っこしてください【マギ】 (ページ10)

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第10夜ページ10

「だって言いましたもん昨日の朝の衆議で。」

「……え？」

「睡眠と栄養の不足…あとストレスもあり、と」

ジャーファルはAの診断にはぁ…とため息をこぼした。自分では分かっているつもりでもいざ言葉にされると、こうくるものがある。

「ですが、以前の結果よりマシでしょう」

「以前も何も基準最低ラインですからね？？？」

　ジャーファルのことは心底尊敬してるし (恋愛的感情も含めて) 好きなことに変わりはないが、仕事一筋で息抜きを知らない所は些か納得がいかない。

「ジャーファルさん」

「…はい」

「もっと自分の体を大切にしてください」

「…すみません」

「というわけで良い子は真似しないでね、クロロホルムー」

「はっ？」

　よく推理小説などに出てくる麻酔薬、クロロホルム。残念ながらこちらの恋物語は真面目1割、おふざけ9割でお送りしています。

もっと言うといい感じのムードにAがしない。真面目な雰囲気が苦手なのだ。

　などと余談をしていれば、ジャーファルはAにもたれ掛かるように体を預けて眠ってしまった。突飛すぎて対応できなかったと見る。

「おわっ…ほんっとに寝てくれた……のはいいけどやっぱ男の人だ、重いぃ…」

マスルールくんヘルプ～と弱々しい声で名を呼べば、事前にスタンバイでもしていたのか柱の横からぬっと出てきた。

「こういうことはサラっとできるのに」

「ねー、自分でも今驚いてる。タイムラグ激しくて困っちゃう」

「それよりこれ何時間持続するんスか」

「ジャーファルさん人より耐性とかあるから分かんないなあ…そんなに深く吸ってないから割と早く起きるかも」

まあでも寝ないよりかマシ、ということでマスルールにジャーファルをベッドまで運んでもらった。

✼ ✼ ✼

「よしよし、ヒナホホパッパとその子供たち、ドラグル・ノル・ヘンリウス・ゴビアス・メヌディアス・パルテヌボんノぼの……ﾝﾝパルテヌボノミアス・ドゥミド・オウス・コルタノーン将軍も問題なし、と」

　ヒナホホパッパとはその名の通り皆のお父さん的存在なのでパパと勝手に呼ばせてもらってる(許可済み) 。

　ドラコーンに関してはAの気分次第、と時々滑舌練習のために本名で呼んだりする。でも略してくれた王に感謝。いや略すって失礼か。

なんてどうでもいいことを考えながらその最後の一人、シンドバッドの元へ足を進める。