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第32夜 ページ32






「確かに彼女は男子顔負けのイケメンですね」

「俺も前にちょっと事故ってAに壁ドンされてる状態になったんだけど、その後にめちゃくちゃイイ声で『怪我はありませんか?』って聞いてくれた上に手まで差し出されちゃって惚れるかと思ったよ」

「ちょっとアンタ、仮にも一国の王が何してんですか」

「いやあ、HAHAHA」



 俺がおかしいのか? と思ってジャーファルとシンドバッドに聞きに来たシャルだったが、どうやら感覚は正常のようだ。

やはりおかしいのは彼女の方だと思った。


……まてまて、王サマを惚れさすってアイツほんと何???




「噂によると女官から恋文貰ったりしてるらしいぞ〜」

「「えぇっ!?」」



 これにはさすがのジャーファルもシャルと一緒に驚いた。

美丈夫が好き、と公言しつつその当の本人がイケメンとかほんと何??? しかも男の俺よりモテてる…。泣いてもいい??

血の涙が出そうである。




「あれ、皆さん集まって何してるんです?」

「噂をすればイケメンが来た…」

「いやな、Aがモテるって話をしていたのだが」

「はあ…それ言うならここにいる男性陣だってモテるじゃないですか。皆さん顔面偏差値高いし、戦闘力もあってオマケに権力もあるときた。私なんかじゃとても相手になりませんよ」



と言いつつも立ち姿から様になるし何より、彼女は今白衣を着て、片手にはカルテと珈琲……否、ココアを持っている。見た目からして既にもうカッコイイ。からのココアというギャップ。

尚且つ彼女は医官である。更には非戦闘員と言いつつ常に持ち歩いている懐中時計には八芒星も宿っている。


ノリは良いし、想い人(ジャーファル)には一途。しかもなんだかんだお顔は整っておられるし、今だってこうして男たちを立てている。



「あれ、俺ら勝てる要素なくね??」

「何がですか?」


「よし、今日は俺の奢りだ」

「ねえ、ちょっと仲間外れにしないでくださいよ」


「あー、今回ばかりはシャルルカンに同情します」

「エッエッほんとに何、ジャーファルさんまでそんなこと言うって…え、私何かしました!?」




ぼっちやだ!! と騒いでいる彼女をよそに男三人は肩を組んでその場を後にした。

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むらてゃ(プロフ) - 続き楽しみにまってます (3月16日 3時) (レス) id: d9254dd9a4 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - ジャーファルさん尊い (8月2日 16時) (レス) @page37 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白咲 紫 | 作成日時:2022年3月27日 14時

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