お姫様抱っこしてください【マギ】 (ページ24)

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第24夜ページ24

「あっ、A様！元に戻られたのですね！」

「小さいA様も可愛かったけど、やっぱりいつものA様がいいですね！」

「A様、骨格標本のコーくん元の場所に戻しておきましたよ！」

「みんなありがとう～～～」

　そう、Aは元通りの姿に戻った。ヤムと協力して見事完璧な解毒薬を作ったのだ！つまりこれでランネーチャンと何も気にすることなくいちゃラブでき……違う、物語が違う、某探偵の方はまだ解決してないのよ。

「コーくん…??」

「あれ、マスルールくん知らないっけ？医務室に置いてある骨格標本のコーくん」

「あれ、名前付けてたんスね。」

「うん、私物だし」

　大きくなっても相変わらずマスルールと日向ぼっこしているA。本当はジャーファルさんともしてみたいけど、あの人の趣味仕事だしなぁ～なんて思いながらのんびりしている。

「なんか、デカく感じる…」

「ふむ、どこがだね？」

「身長…」

「はい、素直に」

「胸」

「よろしい」

通常運転である。

「あぁ…でもやっぱ小さい方がいいなぁ。えー、それは何故でしょう？」

「ジャーファルさんの繕ってくれた服が着れないから」

「正解！さすがマスルールくん、10点！」

二人とも暇なのである。

「あ、そう言えばヤムさんね、また閉じこもってるんだよ」

「今回はなんスか」

「男性のヒゲを伸ばす方法。お酒分析してる時に気が付いたらしい」

※ヤムライハさんの好みはヒゲの年上の男性です。

「ああ…だから先輩が顔に変な布を…」

「あーシャルさんね。わざわざ医務室に『ヒゲの育毛剤的なのってあったりすんの？』って聞きに来たんだよ。20日間は布外さないんだって。かわいいよねえ」

　上手くいくかはさておき、健気だよねなんて他愛もない話をしていれば、目の前をシンがいそいそと通り過ぎて行く。何気にシン様だ～仕事終わったのかなぁ、サボりかなぁとのんびり観察していれば、その手には例の体の縮まるお酒が。

マスルールもそれに気付いたのだろう。バッと振り向いた。

「(気を付けろ)」

「(もちろん)」

目で会話した後、Aは素早く彼の後を追った。

マスルールはというと、急いでジャーファルを呼びに行った。

　この場合、Aをジャーファルに向かわせた方がいいのでは無いかと思われるが、あの酒を保管、管理していたのはAだ。

適任は彼女である。
もちろん、シンの適任はジャーファルだが。